ムーンライト [シネマ&演劇]
バリー・ジェンキンス監督。今年のアカデミー作品賞。人種差別が主テーマの作品と思っていたら、LGBTQの方がメーンだった。大作主義のハリウッドでも、こんな地味な佳作を作るんだというのが率直な感想。
母親のネグレクト、クスリ中毒、売春、学校でのいじめ。背景には米国に根深くはびこる人種差別、格差社会があるとはいえ、作品を貫くのは主人公の黒人少年(青年)の「どうして」という思い。どうして母親は愛してくれないのか、どうして自分だけいじめられるのか、どうして彼は助けてくれなかったのか。言葉少ないけれど、目が語る。
性的マイノリティを主題とした映画の作品賞受賞は初めてという。トランプ時代だからこそ、「ラ・ラ・ランド」ではなくて、「ムーンライト」を選んだ。ハリウッドは、マイノリティの愛の物語に「リベラルな米国を守れ」という政治的メッセージを込めたのだろう。
エグゼクティブプロデューサーはブラピ。出演した歌手のジャネール・モネイはなかなか魅力的だった。
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