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蜜蜂と遠雷 [読書日記]

恩田陸さんの作品は「夢違」に続いて2冊目。直木賞受賞作で本屋大賞にも選ばれた小説だけに、もう賛辞は言い尽くされているかもしれないが、クラシックを少しでも聴いたことがあれば、「これはすごい」とうなるのは間違いない。音楽を文章で表現する、究極の技がすごい。以下は、小説の中で、なるほどと思ったこと。


かつて中村紘子さんの「チャイコフスキー・コンクール」を読んだことがあるが、コンクールでの審査の裏側も描かれている。審査員は審査する方でありながら、審査されている。審査することによって、その人の音楽性や音楽に対する姿勢が明らかになるから。コンテスタントだけでなく審査員も試される。


フィボナッチ数列という数学用語も出てくる。やはり音楽は宇宙の秩序。音楽と数学は明らかに親和性がある。優れた音楽家は数学も得意との指摘もある。確かにバッハの曲などは、きれいな数列のような譜面と聞いたことがある。


人間の呼吸は、「吸って吐く」のではなく、「吐いて吸う」が基本だという。赤ちゃんは生まれたとき、大声で泣いて息を「吐く」。そして人生の最期には、すっと「息を引き取る」。最期は「吸う」のだという。


蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/09/23
  • メディア: 単行本

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