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セールスマン [シネマ&演劇]

イランの名匠といわれるアスガー・ファルハディ監督作。本年度アカデミー賞外国語映画賞を受賞したが、トランプ米大統領のイスラム圏からの入国制限措置に抗議し、授賞式ボイコットしたことで話題になった。


主演女優のタラネ・アリドゥスティが来日、会見したが、なかなかエキゾチックな感じのペルシャ美人。昔から親日的な国というイメージもあり、コメントも好感が持てた。


舞台は首都テヘラン。女性がブルカを着けてなければ、欧米と変わらない都会的な街の雰囲気。主人公の夫婦もインテリで、小さな劇団で役者をしている都会人。ホメイニ師以来、シーア派が原理主義的な統治をしているというくらいの知識しかなかったこともあり、少し驚いた。


しかし、映画がテーマにしているのは、伝統的、宗教的な戒律の中で、抑圧される女性たち。経済的発展とともに社会に広がる矛盾、軋轢を、夫婦に生じた事件から描く。その心理の揺れ動きは、なるほどと思わせる。


イランの映画は、文化情報省が脚本段階と、完成作品を「検閲」している。直接「暴行現場」を描かずに、登場人物のせりふや表情で展開していくという手法も、宗教的な規制をくぐり抜ける知恵なのだろうか。アーサー・ミラーの「セールスマンの死」が劇中で演じられており、監督はこの60年以上前のドラマに現代イラン社会が抱える問題を見いだしているという。


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