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腰巻おぼろ 妖鯨篇 [シネマ&演劇]

新宿梁山泊の創立30周年記念公演第2弾「腰巻おぼろ 妖鯨篇」を新宿・花園神社で観た。唐十郎が1975年、上野不忍池の紅テントで演じて以来、42年ぶりの再演。分厚い台本でふつうに演じると4時間超になるのを、演出の金守珍がぎゅっと圧縮して3幕にしたという。それでも公演は10分休憩2回をはさみ約3時間、靖国通りの喧噪が時折聞こえてくる紫テントの中で、濃密な情念の世界が繰り広げられた。

 

赤い腰巻のおぼろ・水嶋カンナ、ガマという名の少年・申大樹、千里眼の大鶴義丹、サメ肌の大久保鷹。異様で滑稽で、どこか哀しい人物たちが次々と登場する。今回は大時代なタンスが、場面転換のどこでもドア。星座、星占い、捕鯨船、ピノキオ、株式市場と、イメージの連鎖は続く。

 

初演で千里眼を演じたのはもちろん唐十郎。長男の大鶴が今回、同じ役を演じ、「現代の歌舞伎のような」一子相伝の芸となった、とは終演後の金のあいさつの弁。宇野亞喜良の美術は相変わらず作品世界にぴったり、むしろ美術からイメージが喚起されているともいえる。

 

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