ちょっと、まってください [シネマ&演劇]
ナイロン100℃の新作を下北沢の本多劇場でみた。劇団主宰で作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチによると、一度やりたかった不条理喜劇だという。あえて意味を持たせるならば、戯画化された家族劇によって、家族っていったい何なのかを問うた一作といえるのかも。
不条理劇といえば以前、サミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」をみた。二人の男がひたすらゴドーを待ち続けるのだが、せりふの独特の「間」が印象に残っている。今作は日本の不条理劇の大家・別役実さんへのオマージュで、別役作品の引用や文体の模倣、様々なアイコンを散りばめたという。
残念ながら別役さんの舞台をみてないので、細かいパロディーは分からなかったが、不条理な設定や会話、そして独特の間には、つい笑ってしまった。五つの赤い風船「遠い世界に」、もとまろ「サルビアの花」。唐突に始まる懐かしき名曲の劇中歌が不条理な世界を際立たせていて、なかなかの選曲だったと思った。
改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』 〔演出家としてのベケット〕
- 作者: 堀 真理子
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2017/09/21
- メディア: 単行本
青春フォーク伝説(1)空に星があるように.サルビアの花.友よ.受験生ブルース.遠い世界に.竹田の子守唄.人間なんて
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテイメント株式会社
- メディア: CD
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