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吸血姫 [シネマ&演劇]

雑司ヶ谷・鬼子母神の紅テントで、唐組30周年記念公演第1弾と銘打った舞台をみた。この演目、四十数年ぶりの再演という。初演当時のポスターも復刻していたが、注目は療養中の唐十郎の娘、大鶴美仁音(みにょん)と、息子の大鶴佐助がメーンキャストとして出演しているところだろう。


引っ越し看護婦、海之ほおずき役の美仁音はきりっとした目がいい。やはり父譲りのDNAなのか。看護婦の白衣、大陸の川島芳子に扮した軍服、そして娼婦役まで、テント舞台に立つその姿が映える。佐助の方も愛染病院の若院長をテンションMAXで演じていて面白かったし、好感を持った。


愛するのではなくて、あなたのお世話がしたい。お世話の都・上野の森、関東大震災、満州とイメージの連鎖、妄想が展開していく。久保井研、藤井由紀といったテント育ちの役者陣に若手のパワーが加わって、久しぶりに躍動する唐芝居を堪能した。

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