ニンゲン御破算 [シネマ&演劇]
かつて中村勘三郎が主演した「ニンゲン御破産」。「産」を「算」に変えた25年ぶりの再演をシアターコクーンでみた。松尾スズキ作・演出の時代劇は初めて。幕末を舞台に大河風にエンタテイメントに仕立て上げた。中村座を立ち上げたり、現代劇とコラボしたり、意欲的に新時代の歌舞伎に取り組んだ勘三郎の思いをストーリーに取り込んでいた。
安心して笑える筋立て、歌舞伎の趣向も取り入れているが、もう少し大どんでん返しがあってもよかったような。阿部サダヲ、岡田将生、多部未華子に、荒川良々、皆川猿時、平岩紙らが脇を固める。最近CMで見て、「随分と色っぽくなった」と思った多部未華子、もうそろそろ娘役を卒業した方がいい。
登場人物に鶴屋南北、黙阿弥が出てくる。戯作者へのオマージュが感じられるストーリー。松尾スズキが近松門左衛門を演じて面白かったNHK時代劇「ちかえもん」を思い出したが、調べてみるとこちらは松尾の作・演出ではなく、「ちりとてちん」を書いた藤本有紀のオリジナルだった。

中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて (集英社文芸単行本)
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/12/10
- メディア: Kindle版
2018-06-09 19:11
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