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万引き家族 [シネマ&演劇]

是枝裕和監督のカンヌ映画祭パルムドール受賞作を日比谷のTOHOシネマでみた。考えてみれば、ストレートな映画のタイトル(外国語に訳すのも簡単)は、現代の「家族」が抱えるテーマを国境を越えて訴えるのに寄与したかもしれない。

舞台は東京・隅田川沿いの下町。リリー・フランキーと安藤サクラのカップルと、ばあちゃんや子どもたちが一緒に暮らす。ごちゃごちゃした狭い部屋で、みんなでごはんを食べる。温度や湿気、臭い、リアルな生活感が伝わる。そこにある、温かさこそ、家族の本質なのだと思う。

子どもの虐待や放置、孤立する高齢者、隣近所の崩壊、経済格差。社会のセーフティーネットからこぼれ落ちる人たちがいる現実。行政による対応だけでは救いきれない。それならば、もっといろんなかたちの「家族」があってもいいのではないか。「ワークシェアってのは、みんなで貧乏になりましょうってことだろ」。作品に出てくる、せりふには今の政治への痛烈な批判も。監督の姿勢があらわれていた。

松岡茉優演じる家出娘がJKリフレでバイトするシーン。海外では、あの日本独特の風俗業が理解できたであろうか。


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