修道女たち [シネマ&演劇]
ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出のKERA・MAP公演「修道女たち」を下北沢の本多劇場でみた。禁欲的でなければならない修道院をシットコム(シチュエーションコメディ)にした。15分の休憩をはさみ3時間ほどだったが、マジックリアリズム的な場面もあったりして、飽きさせぬ舞台だった。
キリスト教っぽい架空の宗教。お祈りの言葉や賛美歌のような歌、聖像など、どこかの国のカルト宗教にありそうな設定がナイス。芸達者な鈴木杏、美しい修道女がぴったりの緒川たまき、がっちり脇を固める犬山イヌコ、伊勢志摩。配役もよかった。
歴史を振り返れば、その時代、時代に、異端とされ弾圧された宗教がある。中世には魔女狩りもあった。マイノリティを排除しようとする権力の策謀は今も社会にあるのではないか。弾圧された側は、それぞれが信じる神にひたすら祈る。生死を分かつ場面が来ても、それが神の意志であれば、とあえて死を選び殉教することさえある。女性同士の愛情、天国への電車、戦場の狂気。様々なエピソードが語られる中で、寓話のような味わいが心に残った。
ユリイカ 2015年10月臨時増刊号 総特集◎KERA/ケラリーノ・サンドロヴィッチ -有頂天、ナゴムレコード、ナイロン100℃・・・
- 作者: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2015/09/19
- メディア: ムック
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