森から来たカーニバル [シネマ&演劇]
山崎一が立ち上げた劇壇ガルバの旗揚げ公演を下北沢の駅前劇場で見た。別役実の不条理喜劇。狭い板の中で濃密な80分を楽しんだ。
高田聖子と山崎の夫婦漫才のような掛け合いがいい。森から来るカーニバル、自らを申し訳なく思っている象、その象に踏まれて死にたいと思う人たち。トランペット、オルゴールの音色、ダンスといった趣向。奇妙な設定がどんな形で展開して行くのか、目が離せない。
カーニバルは、例えば戦争かもしれない。賑やかな祭のようにやって来て、普通の人たちの日常を破壊する。なのにそれに自ら志願して犠牲になる人もいる。別役の脚本は言葉遊びのように見せながら、観客を深い思考を誘ってくれる。劇壇とは、芝居に関わる人間の能動的なつながりを意味するという。劇壇の今後に期待する。
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