唐版 風の又三郎 [シネマ&演劇]
唐十郎が1974年、状況劇場公演のため書き下ろし、紅テントに観客が押し寄せたという伝説の演目。「ビニールの城」に続き金守珍演出で、シアターコクーンの公演を見に行った。
モチーフになっているのは、宮沢賢治の「風の又三郎」、ギリシャ神話のオルフェウスとエウリディケ、そしてシェイクスピアの「ベニスの商人」。唐さんは、自らの昭和の戦争の記憶をベースに、片翼飛行で帰還した戦争英雄や、当時起きた自衛隊機乗っ取り事件からイメージを膨らまし、次々と頭の中に湧いてくる言葉で迷宮のような劇世界を作り上げた。
ガラスのマント、紅のマント、蝋のマントの3幕構成。現実と死の世界を行き来しながら、イメージが連鎖し、場面が飛翔して行く。群像劇の中で主役の窪田正孝、ヒロインの柚希礼音。血を絆に繋がって行く若い二人の恋愛は甘美なラストへと突き進んで行く。テント小屋の猥雑さはなかったが、その代わり宇野亜喜良の美術(大きなカタツムリ、電話ボックス)が洗練されていて、夢を見ているような気分に浸った。
モチーフになっているのは、宮沢賢治の「風の又三郎」、ギリシャ神話のオルフェウスとエウリディケ、そしてシェイクスピアの「ベニスの商人」。唐さんは、自らの昭和の戦争の記憶をベースに、片翼飛行で帰還した戦争英雄や、当時起きた自衛隊機乗っ取り事件からイメージを膨らまし、次々と頭の中に湧いてくる言葉で迷宮のような劇世界を作り上げた。
ガラスのマント、紅のマント、蝋のマントの3幕構成。現実と死の世界を行き来しながら、イメージが連鎖し、場面が飛翔して行く。群像劇の中で主役の窪田正孝、ヒロインの柚希礼音。血を絆に繋がって行く若い二人の恋愛は甘美なラストへと突き進んで行く。テント小屋の猥雑さはなかったが、その代わり宇野亜喜良の美術(大きなカタツムリ、電話ボックス)が洗練されていて、夢を見ているような気分に浸った。
唐十郎Ⅰ 少女仮面/唐版 風の又三郎/少女都市からの呼び声 (ハヤカワ演劇文庫)
- 作者: 唐十郎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2019/02/06
- メディア: 文庫
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