SSブログ

海辺のカフカ [シネマ&演劇]

村上春樹のベストセラーを蜷川幸雄が演出した舞台をTBS赤坂ACTシアターで見た。水槽のようなセットがステージ上を移動し場面転換する。基本黒子が押す人力で、図書館の一室から神社、雑木林、中型トラックまでが台車にのって前面に出てくる。入り組んだ村上作品の世界をどうしたら舞台でスムーズに見せることができるか。全て人の手、アナログでやることが蜷川の答えだった。

IMG_2518.jpg

「海辺のカフカ」は随分前に読んで詳しい内容は忘れてしまっていたが、村上の最新長編「騎士団長殺し」を遅ればせながら文庫で読んだばかりだったので、夢と現実を行き来するような作品世界には比較的すんなりと入ることができた。小さな水槽に入った寺島しのぶ扮する佐伯さん。寺島は「蜷川さんが残した装置と対決している感じ」と語っていたが、狭い水槽でうごめく姿が印象に残る。木場勝己演じるナカタさん、世界の真実を知る男を実直に表現していた。

IMG_2520.jpg

2012年の初演では、田中裕子が主役だった。今回フランス公演のため、木場や古畑新之、柿澤勇人といったオリジナルメンバーに加え、寺島、岡本健一、木南晴夏らが参加したという。

公演中に千葉震源の地震があり、客席も結構揺れた。一瞬小さくどよめいたが、舞台上の役者(確か寺島と木場)は驚くこともなく演じ続けた。さすがプロだね、と称賛の声あり。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。