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飛龍伝2020 [シネマ&演劇]

つかこうへいの代表作の一つ「飛龍伝2020」を新国立劇場で見た。欅坂46キャプテンの菅井友香が「8代目神林美智子」を演じる。ほぼ舞台に出ずっぱりで1幕2時間10分。一生懸命さは伝わるが、まだまだ演技が硬い。はっきり言って、ラストの歌とダンスが自然な笑顔で一番良かった。

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岡村俊一演出。1960年安保の時代、全共闘と機動隊の衝突という設定はもはや遥かな戦後。世界革命戦争に勝利する、などというセリフも空虚に響く。なまじ歴史的事実を知っているだけに、素直に物語に入り込めない。むしろ完全な作り事の設定の方が共感できたかもしれない。

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学生の熱いパワーは現代もあるだろう。ただ、作品では、仕送りで生活し学生運動に没入する学生たちと、中卒ばかりの機動隊との格差や妬みが根本にある感情的対立が描かれるのに、それが10年後に再会して、「あの頃」を懐かしがる。双方に神林というヒロインの思い出があるのかもしれないが、ヒロインの描き方自体も弱く、全体的な展開に違和感を感じてしまった。セリフをただただ熱く語るだけが、つか演劇ではないと思うのだが。
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