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渋谷 [読書日記]

最近、ずっと本棚に眠っていた1冊を手にすることが増えた。読みかけて放置していたり、買ったまま積読だったりした本。外に出ることが減りおうち時間が増えたからだろうか。以前から思うことだが、本には読み時があるようで、仕事で必要な本以外は読みたい時が来るまでじっと待つ。それで今回手にしたのは、藤原新也著「渋谷」。

外出自粛で閑散としたスクランブル交差点が出るたび、あの雑踏の渋谷が懐かしく思い出される。人の心をざわつかせる何かがそこにはある気がしていた。本は渋谷のことと言うより、シブヤ的日本を書いている。都市伝説という一言では片付けられない、ギャルたちのインタビューとエピソード。2008年の購入だから14年寝かせていたことになるが、内容は古びていない。

雑踏にいることで真空状態になる。音や光や膨大なノイズが心地よい環境を生む。膨大な情報に意味がなくなることで、そこに自分を埋め込むことができる。都市が自然の中にいるのと一緒の癒しの場となる。そうした一文に我が意を得たりと思う。東京で暮らす中でなぜか人の多く集まる場所を選んで出向くことが多かったのはごく自然の行動だったのだ。藤原さんのウェブサイト、有料のウェブマガジンはなかなか興味深い。購読してみようか。


渋谷 (文春文庫)

渋谷 (文春文庫)

  • 作者: 藤原 新也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: Kindle版



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