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唐十郎血風録 [読書日記]

外出が少なくなったせいで、読書が進む。神田の古本屋で手に入れた唐さんの半生記を読む。状況劇場の旗揚げから新宿・花園神社を飛び出し、列島各地やアジア遠征と、まさに怒涛のような芝居人生を講談のように語る。紅テントで感じるあの熱量をそのまま感じながら、一気に読み終えた。

人には聞いていたが、あの伝説の公演の内幕が張本人によって明かされる。福岡の地では伝説になっている筑豊のボタ山での嵐の中の公演。赤塚不二夫から贈られたテントに五木寛之らが駆けつけ、清川虹子が客演で出ていたとか、知らなかった。2000人が詰めかけて、テントに入れず、急きょ2ステージに切り替え、すべて終わったのは午前3時ごろ。その時代のムーブメントとしてアングラ演劇への注目度がよくわかる。

劇団に所属した四谷シモン、麿赤兒、大久保鷹、李礼仙、根津甚八、小林薫ら。怪異な風貌、奇妙な格好をしてつばきを飛ばしながらセリフを叫ぶ姿が目に浮かぶ。個性的という言葉では言い切れない、情念を感じさせる演技とでもいうのか。舞台上の彼らから発散される心情が観客の心を揺さぶる。ああ、またテント芝居がみたいとつくづく思った。

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