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草枕 [読書日記]

夏目漱石の作品を手に取る。何の拍子で買ったのか忘れたが、書棚に文庫本があった。「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」。冒頭のフレーズだけは文学知識として知っているが、はてどんなお話か。

とにかく聞いたことのない漢語がやたら出てくる。漢文の素養がない身としては注釈をいちいち見なければならない煩わしさがあった。田中康夫のなんクリを思い出す。漱石文学としての位置づけはよく知らないが、絵かきと出戻り娘のお話が筋といえば筋のように進む。

山村と都会、文明と自然、戦争の影、芸術家の苦悩。現代に通じるものがあるから、いまだに漱石は読まれるのだろう。国語の教材として今も漱石が使われているのだろうか。時代や自らの半生を考えたりしながら読む。大人になって、この歳になって読む漱石はまた格別の味があると思った。


草枕 (新潮文庫)

草枕 (新潮文庫)

  • 作者: 漱石, 夏目
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/08/09
  • メディア: 文庫



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