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デザインの骨格 [読書日記]

プロダクトデザイナー山中俊治さんの著書。デザインには理由があるという言葉どおり、科学的根拠に基づいていろんな物が作られているのが分かる。アップルのジョブズの台形嫌いから、スイカの改札機の読み取り角度13.5度の訳まで、好奇心を刺激する逸話が盛りだくさんだ。

チューリング・パターンという生物の体の模様の古典的な数学シミュレーション。2つの化学反応が同時に広がっていくとき周期的なムラができる。反応がお互いに影響し合って、ヒョウ柄やシマウマ柄、熱帯魚の模様ができるという。チューリングはコンピューターサイエンスの父と呼ばれる英国の数学者で、パソコンがない時代にナチスの暗号を解き連合軍を勝利に導いた天才として知られる。

タイヤの溝が一定のピッチで彫られてないのはなぜか。耳障りなノイズが発生するのを防ぐため、幅のある周波数のノイズにしている。ホワイトノイズ化。

機能美の極致はイタリアのデスクランプ、トロメオ。

ミニカーは実車の縮小ではない。スケールによる曲面感度の差があり、忠実に縮小してしまうと、抑揚のあるスポーツカーのボディもフラットな四角いクルマに見えてしまう。

いろんな「ヘェ〜」があって、単に感覚やイメージだけでデザインしている訳ではないこと、感性と科学のマリアージュが大切なことであることを学んだ。


デザインの骨格

デザインの骨格

  • 作者: 山中俊治
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2011/01/25
  • メディア: 単行本



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