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ひきこもれ [読書日記]

かの思想界の巨人・吉本隆明が語った、ひきこもり論。「ひとりの時間」を持つことの大切さを主に若者に向けて語っている。糸井重里さんが名著と推薦していたので、久しぶりに吉本の著作を手に取る。

コロナ時代の今こそ、自分を見つめるチャンスという指摘に読めるが、不登校やいじめについての考え方は独特だった。傷ついた親が傷つく子をつくる、子どもの自殺は親の代理死である。三島由紀夫は大人になって親の代理死として自殺したという。

意外だったのは、僕はあらゆる市民運動を信用しないと言っていること。吉本と言えば、安保闘争のイメージがあるし、市民運動とも密接な関わりがあると思い込んでいた。吉本自身がひきこもりであり、長い間ひきこもり続けて何とか物書きとして食っていけるようになったと告白している。若い頃に読んだら、もっと衝撃的だったかもしれないが、それなりの齢でも今を生きる意味を考えさせられる。


ひきこもれ <新装版> ひとりの時間をもつということ (SB新書)

ひきこもれ <新装版> ひとりの時間をもつということ (SB新書)

  • 作者: 吉本隆明
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2020/09/05
  • メディア: 新書



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