あちらにいる鬼 [読書日記]
先日亡くなった作家、瀬戸内寂聴さんと、不倫相手の井上光晴さん夫妻との関係をモデルに娘の井上荒野さんが書いた小説。いわゆる奔放な女だった瀬戸内さんと無頼の文学者井上さんの関係は、性愛を超えて最後は同志のような付き合いだったのか。井上さんの妻の視点からも書かれていて、何か男女の仲を覗き見するような隠微な興味も手伝って面白く読んだ。
実のところ寂聴さん、井上さんの小説は読んだことがない。出家してからもメディアによく露出した寂聴さんだが、唯一多様な人々の交友録「奇縁まんだら」を読んだくらいか。次々と女をつくっていたらしい井上さんの作品は手にしたことがない。その分先入観なしに今回は読めたけれど。
愛と書くことに憑かれた男と女を描いたと裏表紙の紹介にある。確かに憑かれたようにのめり込む生き方がブンガクに昇華するということはあるのだろう。世間体や常識には囚われない生き方には、ある種の羨望も入り混じった驚きがある。自由な生き方を貫くのは決して容易くはないと思った。
実のところ寂聴さん、井上さんの小説は読んだことがない。出家してからもメディアによく露出した寂聴さんだが、唯一多様な人々の交友録「奇縁まんだら」を読んだくらいか。次々と女をつくっていたらしい井上さんの作品は手にしたことがない。その分先入観なしに今回は読めたけれど。
愛と書くことに憑かれた男と女を描いたと裏表紙の紹介にある。確かに憑かれたようにのめり込む生き方がブンガクに昇華するということはあるのだろう。世間体や常識には囚われない生き方には、ある種の羨望も入り混じった驚きがある。自由な生き方を貫くのは決して容易くはないと思った。
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