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ドライブ・マイカー [シネマ&演劇]

アカデミー賞候補の作品を遅ればせながら見に行った。村上春樹の原作をもとに濱口竜介監督がイメージを膨らませた。ベケットの不条理劇「ゴドーを待ちながら」、チェーホフの4大劇の一つ「ワーニャ叔父さん」の劇中劇が映画のテーマを暗示する。

俳優役の西島秀俊と岡田将生は知っていたが、妻の音役の霧島れいか、ドライバー役の三浦透子は初めて知った。霧島はモデルだけあってホント美人さんで醸し出す色気がたまらない。三浦は「天気の子」のテーマを歌ったシンガーだと後から知ったが、無表情なドライバー役が印象に残った。

ワーニャ叔父さんの舞台には日本と韓国、中国の人たちが出演し、手話のセリフもあった。多言語という場を作り、この作品のテーマの一つであるコミュニケーションの困難さと大切さを表したのだろう。夫婦であっても、親子であっても、ちゃんと向き合って話をすることは意外とない。家族という関係ゆえにお互いを気遣い、遠慮が生まれるのか。チェーホフは劇の中で、失意と絶望に陥りながら自殺もならず、悲劇は死ぬことではなく生きることにあると主張する。それでも人は生きる。人生の無意味、目的や意義のなさを知りながらこの不条理な世界を生きていくのだ。

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