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発達障害という才能 [読書日記]

閉塞した社会状況を打破するのは、発達障害という特性を備えたトリックスターたちだと本書は指摘する。昔は発達障害なんて聞いたこともなかった。今でも発達障害の人の大部分は普通に社会生活を送っていて、疾病というより「特性」と言った方がよいという。「障害」という言葉がイメージを悪くしていると感じる。

ADHD(注意欠如多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(限局性学習障害)とあって、最も耳にするADHDは空想に耽る時間が一般の人より長いという。もともと人は起きている時間の半分くらいは目の前に起きている出来事以外のことに思いを巡らしているらしい。これをマインド・ワンダリングというそうだ。創造的なひらめきはここから生まれるんだとか。我が身を振り返ってもボーッとしている時に何か思いつくことがあったりする。

エジソンから始まり、現代ではオードリー・タンやイーロン・マスクも発達障害だとカミングアウトしている。サヴァン症候群も発達障害に伴って現れる症状で、人並外れた記憶力や計算能力を示す。読字障害(ディスクレシア)というのもあるという。こういった特性を持つ人たちを社会でどう生かすか。本気で考えている国もあれば、日本のようにまだこれからの課題という国もある。異能の人も含め多様な人材が活躍する社会づくりが望まれるのは確かだろう。


発達障害という才能 (SB新書)

発達障害という才能 (SB新書)

  • 作者: 岩波 明
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2021/11/05
  • メディア: Kindle版



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