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失われた時を求めて〜ゲルマントの方 [読書日記]

第3編「ゲルマントの方」を読む。スワン家と反対側の道を行くとあるゲルマント家の人たち。憧れの公爵夫人に会うため友人の伝手を辿ってようやく晩餐会に行く。歴史や物語に登場する名家の名前たち。広大な屋敷に華やかな出立ち、高貴な口ぶり。でも、そこで口にされる話題と言ったら・・・滑稽で醜い人たちの言動を事細かに記してサロンの実態を描く。

ドレフュス事件という当時の世論を二分した大事件の話が出てくる。ユダヤ人への差別意識は、日本でいう在日差別と同根のもののようだ。作者のプルーストの母親がユダヤ人であり、同性愛ととともに当時のマイノリティーの置かれた立場が作品の主題の一つであることは疑いがない。

この編では元カノのアルベルチーヌが成長した姿を見せたり、大好きだった祖母が天国に召されたりする。以下は印象に残った節とトリビア。
・「このような無用な時間、快楽を待つ奥深い控室のような時間、それを私は知っていた。かつてバルベックで皆が夕食に行ってしまい、一人で自分の部屋にいた時に、こうした時間の持つ暗いけれども快い空しさを経験した」
・当時のフランスでは、高貴な人に対しては三人称で呼ぶ習わしがあった。


失われた時を求めて 5 第三篇 ゲルマントの方 1 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

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  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/08/18
  • メディア: 文庫



失われた時を求めて 6 第三篇 ゲルマントの方 2 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

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  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/08/18
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