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オーシャンズ8 [シネマ&演劇]

暑さ凌ぎで映画館へ。肩の凝らない娯楽作を、と久しぶりにオーシャンズシリーズをみた。サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイと、ハリウッド女優がズラリ登場。美貌と迫力のボディーにノックアウトされた(笑)

一芸のあるプロがチームを作り、用意周到な計画のもと、世界一のお宝をいただく。昔からある王道のドロボウ映画のワンパターンだが、こうしたドラマに多くの観客が惹かれるのはなぜだろう。まあストーリーがわかりやすいし、スリルがあるし、鼻持ちならない奴から騙し取る展開にスカッとする。人を殺傷せずエゲツない場面がないのも、万人ウケがするということか。

今回はプロ犯罪集団らしくない、お洒落で華麗なスタイルが楽しい。犯行はもちろんおカネが目的とはいえ、以前騙されたオトコへの仕返しもおまけについているところがミソ。ゲイリー・ロス監督。

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葉室麟さんお別れ会 [雑感]

作家の葉室麟さんのお別れ会が都内の帝国ホテルであった。昨年末に67歳の若さで急逝された。出版関係者を中心に約200人が出席した。


会場には葉室さんの著作が年表とともに展示されていた。直木賞の出世作から12年の間に60冊を超す小説を生み出した。著書の「蜩の記」の主人公の如く、決められた期間の中で書きたいものをせっせと書いたのだろうか。どなたかのお別れの挨拶の中で、かの文豪・夏目漱石も作品を出したのは10年間だと聞いた。葉室さんには記者時代からの長い助走期間があったのだろうが、50代からの遅咲き作家と言われても、これだけのレベルの時代小説をものした。近い年代でほんのわずかだが、葉室さんと縁のあった者として、何か勇気付けられる。


大学同窓の東山彰良さんや、京都在住の朝井まかてさんが葉室さんとのエピソードを披露した。お酒を飲みながらの話が大好きだった葉室さんの優しい人柄をしのんだひとときであった。9月末には葉室さんが公開を楽しみにしていた「散り椿」が封切りの予定。見に行ってみようと思う。


影ぞ恋しき

影ぞ恋しき

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/13
  • メディア: 単行本



蜩ノ記 (祥伝社文庫)

蜩ノ記 (祥伝社文庫)

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2013/11/08
  • メディア: 文庫



追悼葉室麟 洛中洛外をゆく

追悼葉室麟 洛中洛外をゆく

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2018/06/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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MAKOTO [シネマ&演劇]

長塚圭史の阿佐ヶ谷スパイダースが演劇ユニットから劇団に衣替え、再出発の舞台を吉祥寺シアターで見た。作・演出は長塚。いわゆる演劇らしい演劇を見たという感じだった。

妻を亡くした主人公、医療過誤が原因の突然の別れで、その面影を忘れることができない。亡き人の思い出、共に過ごした日々、そうした記憶の重さは、熱量に換算すると計り知れないレベルになるのではないか。そんな思いつきからストーリーが生まれたのかも。

逢う魔が時、長屋のドアを通じて現実世界と異界を行き来する。池袋や渋谷、代々木、千駄ヶ谷など、東京の街が出てくる。舞台を見ながら日頃通る渋谷の首都高を思い浮かべる。変わりゆく街は人々の記臆も消してしまう。そこに住んでいる人間にとっては思い出の風景を返せというメッセージとも受け取れるラストであった。

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はたらくおとこ―Asagaya Spiders dramabook

はたらくおとこ―Asagaya Spiders dramabook

  • 作者: 長塚 圭史
  • 出版社/メーカー: ゴーチ・ブラザーズ
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本



LAST SHOW

LAST SHOW

  • 作者: 長塚 圭史
  • 出版社/メーカー: パルコ
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本



COFFEE SHOP 長塚圭史対談集

COFFEE SHOP 長塚圭史対談集

  • 作者: 長塚 圭史
  • 出版社/メーカー: キネマ旬報社
  • 発売日: 2004/04/23
  • メディア: 単行本



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グレイテスト・ショーマン [シネマ&演劇]

遅ればせながら飯田橋の名画座ギンレイホールで観た。上映最終日、金曜の午後4時というのに行列ができていた。劇場の人が「並んでないと立ち見が出るかも」というので15分ほど並んだ。やはりこの手のミュージカルは銀幕で見るに限る。皆そう思って来たらしく客席は満員。

19世紀の米国で有名だった興業師、P.Tバーナムの半生を描いた。貧しい仕立屋の息子がサーカスを立ち上げ成功する。そして失敗し本当に大切なものに気づく。王道のストーリー展開を圧倒的な歌声と踊りで魅せる。物語自体がショーになっている。

見世物小屋の怪しさ。特異なもの、異質なものに人は興味を抱き惹かれる。でも、それが一歩、日常に入り込もうとすると拒否反応を示す。現代社会では生身の人間の見世物小屋は見かけなくなったが、家柄とか、名門校とかいう形で何かと階級的、身分的な優越感を誇る人たちは多い。シンプルな作りなのにホロリとするのは、そんな物語のバックボーンに共感するからかも。主演のヒュー・ジャックマンを支える、妻チャリティ役のミシェル・ウィリアムズの優しい演技がとてもよかった。マイケル・グレイシー。

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