ボヘミアンラプソディ [シネマ&演劇]
伝説のバンド、クイーンの実録シネマをTOHO日比谷で見た。エイズのため45歳の若さで逝ったフレディ・マーキュリーの足跡。パキスタン移民の子、ゲイであることへの差別を、アーティストに徹することで最後は克服した。ライブ・エイドでの、心を揺さぶるボーカルに涙が出た。
ボヘミアンはじめ、キラー・クイーン、伝説のチャンピオン、ウィ・ウィル・ロック・ユーなど、耳になじんだ曲ばかり。英米に先立ち日本でブレイクしたのは、斬新で耳に残るメロディが日本的な哀愁や感性と響き合うところがあったのかもしれない。字幕で読むと、詩は罪とか許しを求める内容だったけれど。
音楽プロデユーサーは、フレディの仲間のブライアン・メイとロジャー・テイラー。バンドの内輪揉めも描かれるが、ブライアンが天文学者、ロジャーが歯医者の卵だったという経歴がそれぞれの個性に出ていて、印象に残った。
クイーン ライヴ・ツアー・イン・ジャパン 1975-1985 (シンコー・ミュージックMOOK)
- 作者:
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック
- 発売日: 2019/02/14
- メディア: ムック
映画「ボヘミアン・ラプソディ」 サウンドトラックより/ハル・レナード社/ピアノ/ヴォーカル/ギター
- 作者:
- 出版社/メーカー: ハル・レナード社
- 発売日: 2018/12/01
- メディア: 楽譜
ツィゴイネルワイゼン [シネマ&演劇]
京橋の国立映画アーカイブで、「ツィゴイネルワイゼン」をみた。大学のころ名画座で見て以来だったが、サラサーテのバイオリンだけは記憶に残っていたが、ストーリーはほとんど忘れていた。
美術監督・木村威夫の特集企画だが、こちらはこの作品で鈴木清順監督のファンになった。今は亡き原田芳雄、藤田敏八に大谷直子、大楠道代のキャスト。芸者役の大谷のしっとりした色気、みだらな大楠の肢体。戦前の鎌倉を舞台に、生と死が行き交う怪異譚は妖しくエロティックだ。
国立アーカイブと名称が変わって初めて訪れた。鑑賞も原則として事前予約制になったが、500円で名作をスクリーンで見ることができるのはいいね。
1980年代の映画には僕たちの青春がある (キネマ旬報ムック)
- 作者:
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2016/09/03
- メディア: ムック
修道女たち [シネマ&演劇]
ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出のKERA・MAP公演「修道女たち」を下北沢の本多劇場でみた。禁欲的でなければならない修道院をシットコム(シチュエーションコメディ)にした。15分の休憩をはさみ3時間ほどだったが、マジックリアリズム的な場面もあったりして、飽きさせぬ舞台だった。
キリスト教っぽい架空の宗教。お祈りの言葉や賛美歌のような歌、聖像など、どこかの国のカルト宗教にありそうな設定がナイス。芸達者な鈴木杏、美しい修道女がぴったりの緒川たまき、がっちり脇を固める犬山イヌコ、伊勢志摩。配役もよかった。
歴史を振り返れば、その時代、時代に、異端とされ弾圧された宗教がある。中世には魔女狩りもあった。マイノリティを排除しようとする権力の策謀は今も社会にあるのではないか。弾圧された側は、それぞれが信じる神にひたすら祈る。生死を分かつ場面が来ても、それが神の意志であれば、とあえて死を選び殉教することさえある。女性同士の愛情、天国への電車、戦場の狂気。様々なエピソードが語られる中で、寓話のような味わいが心に残った。
ユリイカ 2015年10月臨時増刊号 総特集◎KERA/ケラリーノ・サンドロヴィッチ -有頂天、ナゴムレコード、ナイロン100℃・・・
- 作者: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2015/09/19
- メディア: ムック