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男はつらいよ50 お帰り寅さん [シネマ&演劇]

50周年の寅さんを試写会でみた。今さら映画評でもない。懐かしさいっぱいで、スクリーンを見つめ、泣き笑いの2時間であった。

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もらったパンフレットで初めて映画館でみた「寅次郎ハイビスカスの花」が25作目だと知る。そのころはお盆と正月の年2回、新作が公開されていて、休みの日に家族のだれかと一緒に見に行ったりしたものだ。人それぞれにそんな想い出がある映画、毎年新作が出る長寿シリーズものの、すごさを思う。

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お茶の間においちゃん、おばちゃん、さくら、ひろし、寅さんがいて、にぎやかに飯を食って、必ず諍いになる。隣のおやじが割って入ってくる。寅さんの知り合い(たいていは片思いの相手)が訪ねてきて、「もう遅いので泊まっておいきよ」と勧める。お馴染みの風景がニッポンの原風景のように言われた時代だったなあと感慨に浸る。
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『Q』:A Night At The Kabuki [シネマ&演劇]

NODA-MAP第23回公演「『Q』:A Night At The Kabuki」を池袋の東京芸術劇場プレイハウスで見た。作・演出の野田秀樹によると、伝説のバンド、クイーンのアルバム「オペラ座の夜」から得た着想を文字に起こした。ボヘミアン・ラプソディーはじめクイーンの楽曲が全編で使われ、舞台をエモーショナルに変える。

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ロミオとジュリエットを源平の世に置き換え、その後日談を語る。結ばれない二人が、わずか5日ちょっとの愛の時間を胸に恋い焦がれあう。誰にでもある初恋を大人になった二人(松たか子、上川隆也)が思い返す。前半のストーリーは知っているので、少々退屈だったが、ヒロイン、ジュリエ役の広瀬すずの、なんとみずみずしくキラキラしていること。これだけでも一見の価値があったなあ。竹中直人の存在感も凄かった。奇抜な格好、独裁者的な振る舞い、ここまで堂に行った演技はなかなかできない。今回の舞台で一番カブいていた。

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オールブラックスのハカが出てきたりして、しっかり流行を取り込む一方で、シベリア抑留の話に繋がるとは。「自由の源」家、「公平の平」家、名を捨テロリスト。言葉遊びの向こうにシニカルな思想があるような。ロミジュリの抱擁に思わずホロリと来たあと、衝撃のラスト。意表を突く演出にやられた。




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ナポレオン [読書日記]

作家佐藤賢一さんと、井上章一さんのトークライブを朝日新聞読者ホールに聞きに行った。テーマは、佐藤さんの新刊「ナポレオン」。フランスの国民的英雄がイタリアのコルシカ島出身であり、表の歴史では語られない実像を知ることができた。

井上さんのユーモアあふれる突っ込み、穿った見方に笑いながら学んだ。例えば、ナポレオンは巷間言われる身長(160センチ代)ではなくて、実は薄毛に悩んでいたらしいといった話。さらに話は脱線して、金銀銅のメダルは、パリの万国博覧会(産業博覧会)が始まりで、五輪は当初は万博の添え物だった。そのうちに万博でメダル授与がなくなり、それを五輪が受け継ぎ今に続く。また、聖火リレーはナチスのヒトラーがベルリン五輪で始めたのが起源。いわば、皇帝ナポレオンが生み出し、独裁者ヒトラーが育てたオリンピックなのだ、などといった井上さんの蘊蓄もたっぷり。

音楽室の壁に飾ってあった楽聖たちの肖像画。羊の毛のかつらで薄毛を隠したルイ15世の行いを周囲がまねして始まった。それが広まり、ブルボン朝のファッションになった。マリー・アントワネット、ダイアナ妃など欧州では、今も昔も王室がファッションリーダーであるらしい。



ナポレオン 1 台頭篇

ナポレオン 1 台頭篇

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/08/05
  • メディア: 単行本



ナポレオン 2 野望篇

ナポレオン 2 野望篇

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/09/05
  • メディア: 単行本



ナポレオン 3 転落篇

ナポレオン 3 転落篇

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 単行本



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108 海馬五郎の復讐と冒険 [シネマ&演劇]

監督・演出・主演、松尾スズキというので、ファンとして期待を持って見に行った。舞台ではできないことを映画で好き放題にやった、そんな作品だった。脚本家の役で「映画作っても当たらないんだよねえ」と嘆く場面があって、この作品のことかよと、つい突っ込みを入れる。

中山美穂が浮気を疑われる妻役。あのミポリンも歳を重ね熟女になったんだなあと、感慨深くスクリーンいっぱいに映し出される喘ぐ表情を眺める。煩悩の数だけ女を抱く目標を立て、実行に移す松尾。デリヘル、SM、高級デートクラブと現代フーゾクに次々と挑んでいくのだが、圧巻は「女の海」。ローションにまみれて男女が折り重なる。シュールな光景であった。

焦り、コンプレクス、嫉妬からの衝動的な行動。クソ真面目でつまらないことの多い日常から思いきり逸脱して、くだらないことをしたい。シアターコクーンの芸術監督就任にあたって抱負を語った松尾スズキ。その頭の中をぶちまけるような作品だった。


中山美穂 パーフェクト・ベスト

中山美穂 パーフェクト・ベスト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2010/07/07
  • メディア: CD



中山美穂 パーフェクト・ベスト 2

中山美穂 パーフェクト・ベスト 2

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2013/10/02
  • メディア: CD



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彫刻の森美術館 [アート]

予定がドタキャンになってポッカリ空いた三連休。久しぶりに秋晴れなので箱根へ遠出、彫刻の森美術館に足を運んだ。

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せっかくなので、新宿から小田急ロマンスカーに乗車。広い車窓、快適な乗り心地。1時間ちょっとで箱根湯本に着いた。ここから登山鉄道で行くところだが、先日の台風で強羅まで列車は不通。代替バスでえっちらオッチラ小一時間で美術館着。

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フジサンケイグループの施設だったのね。入場料1600円。エスカレーターで降りると、屋外彫刻の野っ原へ。ちょうど無料ガイドツアーが始まると言うので、30分ほど解説を聞く。

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ロダン、ヘンリー・ムーア、ブールデル。世界的なアーティストの有名作品がドーンとある。ブロンズの像は鋳型に入れて作るので、同じ像が世界各地にあるそうで、どれもコピーではなく本物なんだとか。

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イタリア作家の男の一生、重い荷物を背負っていく姿に共感したね。空に舞う像もなかなかフォトジェニック。カラフルなでっかい女の像も迫力だった。

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