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少女仮面 [シネマ&演劇]

唐十郎原作の「少女仮面」を三軒茶屋のシアタートラムで見た。1969年、鈴木忠志主宰の早稲田小劇場に唐が書き下ろした。岸田國士戯曲賞を受けた古典的名作を杉原邦生が演出。宝塚の伝説のスター、春日野八千代を演じたのは若村麻由美。かっこいい男役、その色気ある佇まいに久しぶりに鳥肌が立った。

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状況劇場を率いてセンセーショナルを巻き起こしていた唐。演劇的に言うと「肉体論」の物語で、岸田賞を受賞した当時は、既成の演劇人からは批判が上がったという。オリジナルの舞台は見ていないが、演出家によって、いろんな解釈、表現ができるのだろう。他の唐作品より分かりやすいが、その熱くほとばしる情念は変わらない。

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メリー・ホプキンの「悲しき天使」が流れる中、過ぎ去った過去、失った肉体、流れ行く時間が舞台で交錯する。地下の喫茶店、満州の前線病院、腹話術師、甘粕大尉、そして宝塚のレビュー。昭和テイストの物語に浸りながら、燃えていた時代を思い、心が熱くなった。
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アーティゾン美術館 [アート]

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東京・京橋の石橋美術館が建て直されて、アーティゾン美術館としてオープンしたので、初日に早速行ってきた。開館記念展は「見えてくる光景 コレクションの現在地」と題して、ブリジストン創設者の石橋正二郎氏コレクションを中核とした所蔵品が美術史のテーマに沿って展示されている。

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6階建ての4〜6階が展示フロア。事前予約制でQRコードが入場チケット。作品説明はスマホにアプリをダウンロードして聴く仕組みだが、イヤホンを持ってきてなくて聞けなかった(残念)。これからできる新しい美術館は、どこもこんな風なシステムになるんだろうか。

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作品は特に断りがない限り、写真撮影OK。ブリジストン発祥の地、福岡・久留米ゆかりの青木繁の「海の幸」を記念にパチリ。ルノワール作の有名な少女は、「すわるジョルジェット・シャンパルティエ嬢」という題だったのか。記念にハガキを買って帰りました。

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パラサイト 半地下の家族 [シネマ&演劇]

ことし第1作目は、カンヌで最高賞を取った話題の「パラサイト」。トーホー日比谷で見た。我が国以上の格差社会、韓国の厳しい現実を背景に、家族そろって金持ち一家を食い物にするお話。かと思って笑って見ていたら、予想外の展開に。北の脅威も皮肉たっぷりに織り交ぜていて、評判どおりポン・ジュノ監督の快作だ。

すぐに「万引き家族」を連想した。長女役のパク・ソダムの安藤サクラに似ていること。父親役のソン・ガンホは知っていたが、あとは日本の俳優につい置き換えて見てしまった。金持ち社長の妻は、黒木瞳かな。キレイな女性の配役が多かった。

家の地下に核シェルターを作るなんて、やはり韓国らしい。でも、地下に暮らす人は韓国にそんなにいるのだろうか。米国や中南米あたりの話は聞いたことがあったが。
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