久しぶりに三谷幸喜監督のコメディーを日比谷でみた。主演は中井貴一。テレビの雲霧仁左衛門、なかなか渋くていい味出してるなあ、と思っていたが、コメディーはやはりうまいですね。役者としての円熟味みたいなものが出てきたのではないかと思う。

作品は、タイトルからして現代の政治を皮肉ったもの。「大きくなったら総理大臣になる」と昔の子どもたちはよく言ったものだが、今はそんなことを言う子は小学校のクラスで一人も居まい。頭にあるのは自分の出世や選挙のことばかり、カネに汚く、政策の勉強もろくにしない。国の将来や国民のことを考えている政治家は果たしてどのくらいいるだろう。そんな政治状況を変えてくれるヒーローはでないものか。国民の期待や願望がこの映画を生んだのだと感じた。

不倫があったり、反社会勢力との繋がりが疑われたり、ワイロまがいの政治資金があったり。さもありそうな話が首相官邸を舞台に描かれる。ピリリと風刺のきいたコメディー、さらにロングランヒットしてほしい。