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キャッツ [シネマ&演劇]

ミュージカル「キャッツ」の映画版を日比谷で見た。海外の映画評では散々でアカデミーにもノミネートされなかったが、舞台で見る機会がなかったので迷わず見に行った。かの有名な「メモリー」などのナンバーが途切れなく続く。ネコ人間がロンドンのゴミだめを舞台に歌い踊るファンタジー、感激するほどは面白くなかった。

だってストーリーがつまらない。生の舞台で見れば、歌唱とダンスの迫力が圧巻なのかもしれないが。なかなか舞台に行けない人向けに製作したのかな。白猫の子猫ヴィクトリア役のフランチェスカ・ヘイワードは英国ロイヤルバレエのプリンシパルだけあって、身のこなしが軽くて、可愛く素敵だったけど。あとテーラー・スイフトも出ていたらしい。

ジュリクルキャッツとは、人に媚びず気高く個性豊かなネコたちのこと。エリオットの造語らしい。最後の歌で出てくるけど、猫は犬とは違う。馴れ馴れしくされるのを嫌う。うちの猫もそう。やっぱり犬派かな。
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グッドバイ [シネマ&演劇]

あの太宰治の未完の小説をケラリーノ・サンドロヴィッチが脚本に仕立て、生瀬勝久が演出した。「グッドバイ」を日比谷のシアタークリエでみた。女たちの口争いが可笑しい恋愛狂騒劇。上質なコメディに大いに笑った。

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街はまだ貧しく、疎開、引き揚げの人たち、進駐軍がいた、昭和23年が舞台。そんな時代に多くの愛人を持った不埒な男と大食いの美女が出会う物語だ。セクハラ、不倫とやたらと叩かれる今どきの世間と比べると、まだ大らかであったのだなあとつい思ってしまう。でもよく考えてみると、藤木直人演じる雑誌編集長のように金持ちな人々は一握り。多くの国民は食うので精一杯の時代だった。だからこそ男たちにとっては夢物語のような金持ち階級のすったもんだのお話ができたのかも。

ヒロイン役のソニンは、キャラが立っていてキュートだった。子ども役のMIO、YAEが世の中を見透かしたような不気味な存在で面白かった。名前が変で覚えていた長井短も変な感じが印象に残った。生瀬の演出、良かったのでは。
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飛龍伝2020 [シネマ&演劇]

つかこうへいの代表作の一つ「飛龍伝2020」を新国立劇場で見た。欅坂46キャプテンの菅井友香が「8代目神林美智子」を演じる。ほぼ舞台に出ずっぱりで1幕2時間10分。一生懸命さは伝わるが、まだまだ演技が硬い。はっきり言って、ラストの歌とダンスが自然な笑顔で一番良かった。

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岡村俊一演出。1960年安保の時代、全共闘と機動隊の衝突という設定はもはや遥かな戦後。世界革命戦争に勝利する、などというセリフも空虚に響く。なまじ歴史的事実を知っているだけに、素直に物語に入り込めない。むしろ完全な作り事の設定の方が共感できたかもしれない。

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学生の熱いパワーは現代もあるだろう。ただ、作品では、仕送りで生活し学生運動に没入する学生たちと、中卒ばかりの機動隊との格差や妬みが根本にある感情的対立が描かれるのに、それが10年後に再会して、「あの頃」を懐かしがる。双方に神林というヒロインの思い出があるのかもしれないが、ヒロインの描き方自体も弱く、全体的な展開に違和感を感じてしまった。セリフをただただ熱く語るだけが、つか演劇ではないと思うのだが。
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少女仮面 [シネマ&演劇]

唐十郎原作の「少女仮面」を三軒茶屋のシアタートラムで見た。1969年、鈴木忠志主宰の早稲田小劇場に唐が書き下ろした。岸田國士戯曲賞を受けた古典的名作を杉原邦生が演出。宝塚の伝説のスター、春日野八千代を演じたのは若村麻由美。かっこいい男役、その色気ある佇まいに久しぶりに鳥肌が立った。

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状況劇場を率いてセンセーショナルを巻き起こしていた唐。演劇的に言うと「肉体論」の物語で、岸田賞を受賞した当時は、既成の演劇人からは批判が上がったという。オリジナルの舞台は見ていないが、演出家によって、いろんな解釈、表現ができるのだろう。他の唐作品より分かりやすいが、その熱くほとばしる情念は変わらない。

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メリー・ホプキンの「悲しき天使」が流れる中、過ぎ去った過去、失った肉体、流れ行く時間が舞台で交錯する。地下の喫茶店、満州の前線病院、腹話術師、甘粕大尉、そして宝塚のレビュー。昭和テイストの物語に浸りながら、燃えていた時代を思い、心が熱くなった。
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アーティゾン美術館 [アート]

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東京・京橋の石橋美術館が建て直されて、アーティゾン美術館としてオープンしたので、初日に早速行ってきた。開館記念展は「見えてくる光景 コレクションの現在地」と題して、ブリジストン創設者の石橋正二郎氏コレクションを中核とした所蔵品が美術史のテーマに沿って展示されている。

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6階建ての4〜6階が展示フロア。事前予約制でQRコードが入場チケット。作品説明はスマホにアプリをダウンロードして聴く仕組みだが、イヤホンを持ってきてなくて聞けなかった(残念)。これからできる新しい美術館は、どこもこんな風なシステムになるんだろうか。

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作品は特に断りがない限り、写真撮影OK。ブリジストン発祥の地、福岡・久留米ゆかりの青木繁の「海の幸」を記念にパチリ。ルノワール作の有名な少女は、「すわるジョルジェット・シャンパルティエ嬢」という題だったのか。記念にハガキを買って帰りました。

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パラサイト 半地下の家族 [シネマ&演劇]

ことし第1作目は、カンヌで最高賞を取った話題の「パラサイト」。トーホー日比谷で見た。我が国以上の格差社会、韓国の厳しい現実を背景に、家族そろって金持ち一家を食い物にするお話。かと思って笑って見ていたら、予想外の展開に。北の脅威も皮肉たっぷりに織り交ぜていて、評判どおりポン・ジュノ監督の快作だ。

すぐに「万引き家族」を連想した。長女役のパク・ソダムの安藤サクラに似ていること。父親役のソン・ガンホは知っていたが、あとは日本の俳優につい置き換えて見てしまった。金持ち社長の妻は、黒木瞳かな。キレイな女性の配役が多かった。

家の地下に核シェルターを作るなんて、やはり韓国らしい。でも、地下に暮らす人は韓国にそんなにいるのだろうか。米国や中南米あたりの話は聞いたことがあったが。
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キレイ 神様と待ち合わせした女 [シネマ&演劇]

松尾スズキ作・演出の「キレイ 神様と待ち合わせした女」を渋谷のシアターコクーンで見た。2000年初演で4度目再演のミュージカル。生田絵梨花がヒロインのケガレ、少年ハリコナに神木隆之介。3つの民族が争う架空の国ニッポンを舞台にしたファンタジーだ。

ケガレなき少女の心は永遠にキレイであってほしい。そんな男の願望が物語の根っこにあるのかな。世間は争いが絶えず、人は損得勘定で動き、騙し騙されの日々。神様に見守られながら少女は汚れていく。人の形をした食糧(ダイズ)なんてグロテスクな発想はなかなか出てこないけど、ゲノムの時代には荒唐無稽な話ではなくなりつつあるような。恐ろしい時代の空気を感じ取りもした。

例によってギャグが散りばめられているけれど、伊藤ヨタロウの音楽、生バンドによる歌と踊りは皆達者。大人計画のメンバーはもちろん、鈴木杏、麻生久美子の歌もサマになっていた。主演のケガレは、初代が奥菜恵、次が鈴木蘭々、そして多部未華子。4代目の生田は「品を出しちゃダメ」と、演出の松尾に注文を出されたという。来年からコクーンの芸術監督になる松尾。遊びゴコロ全開の舞台に期待しよう。

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あれよとサニーは死んだのさ [シネマ&演劇]

高田聖子が立ち上げたユニット月影番外地その6「あれよとサニーは死んだのさ」を下北沢ザ・スズナリで見た。ノゾエ征爾作、木野花演出。老人介護とゲームオタクから発想を飛躍させた、不条理劇的な展開が面白かった。

NHKのコント番組で見ていらい気になっていた池谷のぶえ。パワフルで破壊力がある演技にたまげた。お母さん役のイメージがあったが、変幻自在な声色で可愛いオンナも演じる。それでいて品がある。座長の高田と相通じるところがあるような。川上友里、入江雅人の激しい掛け合いも笑った。

演劇の街下北のスズナリ横丁にある小さな劇場。折りたたみ椅子で詰めあってみる舞台。小さいハコならではの一体感があって好きだ。

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男はつらいよ50 お帰り寅さん [シネマ&演劇]

50周年の寅さんを試写会でみた。今さら映画評でもない。懐かしさいっぱいで、スクリーンを見つめ、泣き笑いの2時間であった。

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もらったパンフレットで初めて映画館でみた「寅次郎ハイビスカスの花」が25作目だと知る。そのころはお盆と正月の年2回、新作が公開されていて、休みの日に家族のだれかと一緒に見に行ったりしたものだ。人それぞれにそんな想い出がある映画、毎年新作が出る長寿シリーズものの、すごさを思う。

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お茶の間においちゃん、おばちゃん、さくら、ひろし、寅さんがいて、にぎやかに飯を食って、必ず諍いになる。隣のおやじが割って入ってくる。寅さんの知り合い(たいていは片思いの相手)が訪ねてきて、「もう遅いので泊まっておいきよ」と勧める。お馴染みの風景がニッポンの原風景のように言われた時代だったなあと感慨に浸る。
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『Q』:A Night At The Kabuki [シネマ&演劇]

NODA-MAP第23回公演「『Q』:A Night At The Kabuki」を池袋の東京芸術劇場プレイハウスで見た。作・演出の野田秀樹によると、伝説のバンド、クイーンのアルバム「オペラ座の夜」から得た着想を文字に起こした。ボヘミアン・ラプソディーはじめクイーンの楽曲が全編で使われ、舞台をエモーショナルに変える。

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ロミオとジュリエットを源平の世に置き換え、その後日談を語る。結ばれない二人が、わずか5日ちょっとの愛の時間を胸に恋い焦がれあう。誰にでもある初恋を大人になった二人(松たか子、上川隆也)が思い返す。前半のストーリーは知っているので、少々退屈だったが、ヒロイン、ジュリエ役の広瀬すずの、なんとみずみずしくキラキラしていること。これだけでも一見の価値があったなあ。竹中直人の存在感も凄かった。奇抜な格好、独裁者的な振る舞い、ここまで堂に行った演技はなかなかできない。今回の舞台で一番カブいていた。

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オールブラックスのハカが出てきたりして、しっかり流行を取り込む一方で、シベリア抑留の話に繋がるとは。「自由の源」家、「公平の平」家、名を捨テロリスト。言葉遊びの向こうにシニカルな思想があるような。ロミジュリの抱擁に思わずホロリと来たあと、衝撃のラスト。意表を突く演出にやられた。




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ナポレオン [読書日記]

作家佐藤賢一さんと、井上章一さんのトークライブを朝日新聞読者ホールに聞きに行った。テーマは、佐藤さんの新刊「ナポレオン」。フランスの国民的英雄がイタリアのコルシカ島出身であり、表の歴史では語られない実像を知ることができた。

井上さんのユーモアあふれる突っ込み、穿った見方に笑いながら学んだ。例えば、ナポレオンは巷間言われる身長(160センチ代)ではなくて、実は薄毛に悩んでいたらしいといった話。さらに話は脱線して、金銀銅のメダルは、パリの万国博覧会(産業博覧会)が始まりで、五輪は当初は万博の添え物だった。そのうちに万博でメダル授与がなくなり、それを五輪が受け継ぎ今に続く。また、聖火リレーはナチスのヒトラーがベルリン五輪で始めたのが起源。いわば、皇帝ナポレオンが生み出し、独裁者ヒトラーが育てたオリンピックなのだ、などといった井上さんの蘊蓄もたっぷり。

音楽室の壁に飾ってあった楽聖たちの肖像画。羊の毛のかつらで薄毛を隠したルイ15世の行いを周囲がまねして始まった。それが広まり、ブルボン朝のファッションになった。マリー・アントワネット、ダイアナ妃など欧州では、今も昔も王室がファッションリーダーであるらしい。



ナポレオン 1 台頭篇

ナポレオン 1 台頭篇

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/08/05
  • メディア: 単行本



ナポレオン 2 野望篇

ナポレオン 2 野望篇

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/09/05
  • メディア: 単行本



ナポレオン 3 転落篇

ナポレオン 3 転落篇

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 単行本



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108 海馬五郎の復讐と冒険 [シネマ&演劇]

監督・演出・主演、松尾スズキというので、ファンとして期待を持って見に行った。舞台ではできないことを映画で好き放題にやった、そんな作品だった。脚本家の役で「映画作っても当たらないんだよねえ」と嘆く場面があって、この作品のことかよと、つい突っ込みを入れる。

中山美穂が浮気を疑われる妻役。あのミポリンも歳を重ね熟女になったんだなあと、感慨深くスクリーンいっぱいに映し出される喘ぐ表情を眺める。煩悩の数だけ女を抱く目標を立て、実行に移す松尾。デリヘル、SM、高級デートクラブと現代フーゾクに次々と挑んでいくのだが、圧巻は「女の海」。ローションにまみれて男女が折り重なる。シュールな光景であった。

焦り、コンプレクス、嫉妬からの衝動的な行動。クソ真面目でつまらないことの多い日常から思いきり逸脱して、くだらないことをしたい。シアターコクーンの芸術監督就任にあたって抱負を語った松尾スズキ。その頭の中をぶちまけるような作品だった。


中山美穂 パーフェクト・ベスト

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2010/07/07
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中山美穂 パーフェクト・ベスト 2

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2013/10/02
  • メディア: CD



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彫刻の森美術館 [アート]

予定がドタキャンになってポッカリ空いた三連休。久しぶりに秋晴れなので箱根へ遠出、彫刻の森美術館に足を運んだ。

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せっかくなので、新宿から小田急ロマンスカーに乗車。広い車窓、快適な乗り心地。1時間ちょっとで箱根湯本に着いた。ここから登山鉄道で行くところだが、先日の台風で強羅まで列車は不通。代替バスでえっちらオッチラ小一時間で美術館着。

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フジサンケイグループの施設だったのね。入場料1600円。エスカレーターで降りると、屋外彫刻の野っ原へ。ちょうど無料ガイドツアーが始まると言うので、30分ほど解説を聞く。

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ロダン、ヘンリー・ムーア、ブールデル。世界的なアーティストの有名作品がドーンとある。ブロンズの像は鋳型に入れて作るので、同じ像が世界各地にあるそうで、どれもコピーではなく本物なんだとか。

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イタリア作家の男の一生、重い荷物を背負っていく姿に共感したね。空に舞う像もなかなかフォトジェニック。カラフルなでっかい女の像も迫力だった。

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会議 [シネマ&演劇]

最近ハマっている別役実戯曲。今回は1970年代に書かれた「会議」を東京・初台の新国立劇場で見た。われわれ人間に備わる「会議本能」を試す実験として街角に設置された会議室。そこに集まる人々の会話を通して戦後民主主義の実態、現代ニッポンにもありがちな会議の非生産性を描き出す。アイロニーに満ちた作品だ。

人が加わる度に話が脱線し、終いには論点がずれてしまっている。司会、議長が発言を許可し、会議を動かす権力を持つ。まあまあと議論を遮り、早く結論を出そうと焦る人、とにかく自分の主張を押し通したい人、しきりと仕切りたがる人。会議での「あるある」に頷きながら見入った。

同劇場演劇研修所の第13期生試演会。西川信廣演出。別役が仕掛けた問いは、さらに深く難解なものらしいが、不条理演劇の雰囲気を楽しむのも良いと思う。

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イエスタデイ [シネマ&演劇]

ビートルズの名曲を聴きながら、ハッピーエンドを迎える。ビートルズを聴き始めたころ、青春を思い出し、温かな気持ちになる。

主人公のシンガーソングライターが歌うオリジナル曲、本人役のエド・シーランの曲以外は、すべて知っているビートルズナンバー。だから、安心して聴けるし、見られる。この作品を支配する安心感は何だろう。もし自分が好きでたまらないものがこの世からなくなって、その記憶、それにまつわる想い出さえ失ったら。何かわからないけど、もの足りない何かが心の奥底に沈殿するのではないか。作品はビートルズ賛歌であるとともに、人の深層心理、想い出の大切さみたいなものを訴えてもいる。

ダニー・ボイル監督、リチャード・カーティス脚本。英国の映画なので、米ハリウッドのショービジネスへの皮肉もたっぷり。カネと名誉よりも、故郷で愛する女性との人生を大切にしたい。人間の幸福って結局そういうことじゃないのと。
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この道はいつか来た道 [シネマ&演劇]

別役実作、鵜山仁演出の「この道はいつか来た道」を下北沢駅前劇場で見た。金内喜久夫と平岩紙のふたり芝居。全一幕50分、これまで見た芝居の中で最も短い上演時間だったが、濃密な言葉のやり取りで人間らしく死ぬとはどういうことなのかを考えさせられた。

ポリバケツや電柱に話しかける、滑稽な場面から始まり、ホームレスのような男女が路上にゴザを敷いて茶飲み話をする。会話の中で二人が顔見知りでホスピスから逃れてきたこと、余命が幾許も無いことなど、関係性が次第に明らかになっていく。

病を得た人の残りの人生を安らかなものにと欧米で考え出されたホスピス。でも、それって人の最期として果たしてどうなの? 痛がったり苦しんだりして死ぬ自由さえ、現代人には許されないのか。施設ではなく自宅で最期を迎えたいという気持ちとも通じる思い。自分なりにどんな最期を迎えたいのか、いつか考えなければならない時が来るだろう。

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大倉集古館リニューアル [アート]

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東京・虎ノ門の大倉集古館に行ってきた。ホテルオークラの改築工事に伴い、地下収蔵庫の増築など行い、9月にリニューアルオープンした。大倉喜八郎によって1917(大正6年)に設立されたわが国初の私立美術館。中国の古典様式を生かした建物で、超近代的なホテルのビル群と対照的な趣ある佇まいを見せている。

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収蔵物は日清、日露戦争で莫大な富を得た喜八郎が、仏像や美術品の海外流出を防ごうと蒐集を始めたのがきっかけ。蒐集はその後、アジア一帯に広がり、貴重なコレクションが生まれることになったという。

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管内では再オープン記念の特別展「桃源郷展〜蕪村、呉春が夢みたもの」が開かれていたが、横山大観の「夜桜」など珠玉の収蔵品が並ぶ常設展がなかなか見ごたえがあった。

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前庭やエントランス、階段の手すりにも楽しい彫刻があったりして、のんびりできる都心の憩いの場になりそう。

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人間失格 太宰治と3人の女たち [シネマ&演劇]

太宰治の遺作「人間失格」の誕生秘話をもとにした作品。ネクラな作家と忌避していた太宰も歳を重ねると、その作品の意味が分かったりして、近年ちょっとしたマイブーム。ヤバ過ぎる作家の生態といった惹句もあってか、新宿ピカデリーでは若いカップルの客が多かった。

蜷川実花監督の作品は、映像の美しさ、特に赤い色が印象に残っているのだが、今回は血の色。結核を病んだ太宰の咳と吐血がこれでもかと映し出され、見ていて息苦しくなる。妻と愛人、夫婦愛と恋愛、家族と創作。流行作家と持て囃される太宰の葛藤、まさに身を削り血を吐きながら書き続ける、鬼気迫る姿を血の色で表現したのだろう。

坂口安吾、檀一雄が出てきて、デカダンな香りを醸し出す。志賀直哉、川端康成も同時代に生きていたのか。三島由紀夫が出てきて太宰を批判するくだりにはびっくり、この場面は実話なのだろうか。日本文学史の知識が少しあると楽しく見られる。あと、スカパラのエンディング曲がいいネ。
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バスキア展 メイド・イン・ジャパン [アート]

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バスキア展を六本木の森アートセンターギャラリーで見た。ニューヨークの路上の落書きが、ウオーホールとの出会いを機にストリートアートとして認められていく。わずか27年の生涯、描き続けた情熱を間近に見た。

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バブルの頃に来日し、感じたことを作品にしていて、それらの展示が今回の目玉。作品には文字が多く書かれ、社会を風刺したメッセージになっていたりするらしい。日本では雑誌ブルータスがいち早く特集し、アートに限らずファッションでもバスキアブームを巻き起こしたという。

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zozoの前澤氏が高額で落札し話題になった青いガイコツの絵も展示されていた。観覧料は2100円と通常の展覧会より高い。その代わり全員に解説のレコーダーが貸与されて、吉岡里帆の声を聴きながら作品の意味を理解する趣向です。

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記憶にございません [シネマ&演劇]

久しぶりに三谷幸喜監督のコメディーを日比谷でみた。主演は中井貴一。テレビの雲霧仁左衛門、なかなか渋くていい味出してるなあ、と思っていたが、コメディーはやはりうまいですね。役者としての円熟味みたいなものが出てきたのではないかと思う。

作品は、タイトルからして現代の政治を皮肉ったもの。「大きくなったら総理大臣になる」と昔の子どもたちはよく言ったものだが、今はそんなことを言う子は小学校のクラスで一人も居まい。頭にあるのは自分の出世や選挙のことばかり、カネに汚く、政策の勉強もろくにしない。国の将来や国民のことを考えている政治家は果たしてどのくらいいるだろう。そんな政治状況を変えてくれるヒーローはでないものか。国民の期待や願望がこの映画を生んだのだと感じた。

不倫があったり、反社会勢力との繋がりが疑われたり、ワイロまがいの政治資金があったり。さもありそうな話が首相官邸を舞台に描かれる。ピリリと風刺のきいたコメディー、さらにロングランヒットしてほしい。
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