SSブログ

もう明日が待っている [読書日記]

放送作家の鈴木おさむ著「もう明日が待っている」を読む。あの国民的アイドルグループSMAPの誕生から解散までを小説仕立てで描く。彼らの近くにいたスタッフとして、親しみを込めてアイドルと、その時代を記録していて面白かった。


芸能好きなので、たまにこういった内幕モノめいた本を読みたくなる。鈴木おさむは今年でテレビの仕事から引退を宣言していて、タクヤと同い年の仲間としてスマスマを作り、彼らと並走した日々を一冊に残しておきたかったらしい。


ジャニーズ事件の「あの人」からの指示に逆らえず、解散に至ったエピソードが一番の読みどころ。月曜10時のバラエティ番組内での異様な生放送は記憶に残っている。再結成のウワサを聞く昨今、中年アイドルの復活はあるのだろうか?


もう明日が待っている (文春e-book)

もう明日が待っている (文春e-book)

  • 作者: 鈴木 おさむ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2024/03/27
  • メディア: Kindle版



nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:

君たちはどう生きるか [シネマ&演劇]

アカデミー賞長編アニメ部門でオスカーを獲得した宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」を遅ればせながら見に行く。ロングラン上映していたものの、上映時間が夜遅くなど日程が合わなかったが、アカデミー受賞で上映枠が拡大し、めでたく鑑賞の運びとなった。


戦争で疎開した少年・真人(まひと)の夏が描かれている。母親を空襲で亡くし父親は再婚、少年の複雑な思いが静かに語られる。テーマは大きくて生命の尊さとか、子孫とか、輪廻とかいう言葉が脳裏に浮かんだ。原作同名の岩波文庫の原作は読んでいないが、映画の原作・脚本も手がけた宮崎監督の哲学・思想がそのまま反映されているのだろうか。


地獄・天国に出てくるキャラは鳥がメーン。ルーツは恐竜と言われる鳥類はつぶさによく見ると結構グロテスクな部分もあったりする。そこをデフォルメして恐ろしかったり滑稽だったりするキャラを設定したのだろう。人気・実力俳優が声優として多く出演していて、エンディングロールを見ながらへえと思ったりした。


君たちはどう生きるか (岩波文庫 青 158-1)

君たちはどう生きるか (岩波文庫 青 158-1)

  • 作者: 吉野 源三郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1982/11/16
  • メディア: 文庫
漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2017/09/19
  • メディア: Kindle版
君たちはどう生きるか (ポプラポケット文庫)

君たちはどう生きるか (ポプラポケット文庫)

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2023/09/29
  • メディア: Kindle版
スタジオジブリ絵コンテ全集23 君たちはどう生きるか (スタジオジブリ絵コンテ全集 23)

スタジオジブリ絵コンテ全集23 君たちはどう生きるか (スタジオジブリ絵コンテ全集 23)

  • 作者: 宮﨑駿
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2023/11/01
  • メディア: 単行本



nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

東大生と学ぶ語彙力 [読書日記]

難しいことをやさしく書いてあるので、たまに読むジュニア新書。ちくまプリマー新書の「東大生と学ぶ語彙力」(西岡壱誠著)を読む。常々、小さい頃から外国語を学ぶより、まず日本語の語彙の力こそ付けるべきだと考えている。この本は受験を制するにも問題文を正しく読み解く語彙力が必要だと説く。その通りだと思う。


数学に苦手意識がある自分。今でも必要条件と十分条件、数学的帰納法と演繹法という話を聞くと、モヤモヤする。たぶん、その言葉が出てきた時にキチンと理解していれば理系に進んだろうにと、今更ながら思う。必要十分条件では、豆腐料理の話で、帰納法と演繹法は野菜好きの話で分かりやすく解説してある。


得意の社会でも食糧と食料の違い(食糧は主食、食料はその他の食べ物も含む)を再確認したし、歴史というのは結局は領土の奪い合いがテーマになっていると指摘され、確かにと頷く。日本語の小説を英語に訳す勉強法でもっと語彙力が高まるという話を読み、かつてフランス語を勉強して日本語の言葉の奥深さを感じたことを思い出した。古語の「こころ」という言葉の多様性も頭に残った。古語辞典を久しぶりに開いた。


東大生と学ぶ語彙力 (ちくまプリマー新書)

東大生と学ぶ語彙力 (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 西岡壱誠
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2023/12/07
  • メディア: Kindle版

nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:

マティス展とローランサン展 [アート]

六本木の国立新美術館で「マティス展」を見た。「ブルー・ヌード(青い人)」に代表されるデザイン性の高い作品。「自由なフォルム」は最近の自分の気分にぴったり。こうでなければならない、という拘りを捨てて毎日を過ごす。そんな気持ちをマティスの作品は呼び起こしてくれた。
IMG_1418.jpeg
多くの作品が撮影可で油彩から切り紙絵に変わっていくさまを理解できた。てっきり絵の具だったと思っていた作品が色紙を貼り付けた絵だったとは。モダンな帯のような柄の大きなデザイン。記念に買ったシークレット・ポーチはそのデザインだった。マティスがデザインしたヴァンスのロザリオ礼拝堂も再現されていた。
IMG_1414.jpeg
IMG_1420.jpeg
東京滞在中には、京橋のアーティゾン美術館であっていた「マリー・ローランサン 時代を写す眼」展も見た。久しぶりのローランサン。柔らかなタッチと明るい色使いがパリの空気を伝える。ミラボー橋の歌詞を口ずさむ。二日酔いの少しだるい心身をやさしく包み込んでくれるようだった。
IMG_1437.jpeg
IMG_1435.jpeg

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:アート