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ボクの音楽武者修行 [読書日記]

今年2月6日に亡くなった世界のマエストロ小澤征爾の「ボクの音楽武者修行」を読了した。26歳の駆け出し指揮者だった小澤が綴った青春記。音楽が好きでクラシックの故郷ヨーロッパに単身乗り込む若き日の小澤青年、なんと純粋で瑞々しいことか。

今のように気軽に海外へ行けない昭和30年代。貨物船に乗せてもらい、上陸してからはスクーターでパリを目指す。決して裕福な家柄ではなく、金の工面などはいろいろと苦労したことなどを初めて知った。クラシックファンでなくとも知っているカラヤン、バーンスタイン、ミュンシャといった巨匠に教えを乞う。ブザンソン、タングルウッド、ベルリン、ニューヨークといった街のコンクールやオーケストラの指揮者として、ひたすらスコアを読み勉強する日々が綴られている。


指揮者によってオーケストラのアンサンブルの良し悪しが決まる。まさに棒振り屋の腕次第。久しぶりにクラシックを聞くかなと思ったりする。江戸京子(後の妻)、田中路子(欧州在住のオペラ歌手)、広中平祐(ノーベル賞の数学者)といった著名人との出会いも書かれていて興味深かった。


ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

  • 作者: 小澤 征爾
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2024/04/09
  • メディア: 文庫

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