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人生、成り行き 談志一代記 [読書日記]

「人生、成り行き」ってえ、タイトルが気に入って手に取った一冊。噺家の談志の野郎、いったいどんなこと喋りやがったのか。立川流顧問の吉川潮さんのインタビューで小説新潮に連載したのをまとめたらしいが、これが滅法面白かったね。野暮なのはダメ、江戸っ子は粋でなくちゃ。基本の行動原理はこれと、芸人だからシャレが分からない奴は莫迦 ってえの。鬱陶しい世の中故に、読んでスカッとしたね。

噺家として国政選挙に打って出たんだなあ、忘れてたけど。先輩議員の青島幸男、こいつも江戸っ子なんだが、これが野暮でいけねえ。選挙運動しないで家にいるというのは一般的には格好いいかもしれないが、あたしに言わせれば野暮。おれなら毎日女とデートするとか、トルコ風呂に通うとか、そういうやり方の方が粋。別に反社会的行為ではないしね。

談志落語の自己分析。いい好奇心を文明と呼び、悪い好奇心を犯罪と呼ぶ。いいも悪いも人間の業じゃねえか、しょうがないじゃないかと肯定していくれるのが、悪所と言われる寄席なんだ。芸術は成り上がり者のステイタス、自分をモーツァルトやルノアールに帰属させて満足を得る。人は自分を安定させるためにいろんなところに帰属する。一番帰属して楽なのが、頭を使わなくて良い宗教でありイデオロギーかな。俺が帰属するのは結局、落語しかないけど。

立川流の設立の経緯も初めて知った。談志の話は芝浜を一度聴いたきり。それも映画で。志の輔、志らく、談春らの落語もいつか聞いてみたい。



人生、成り行き―談志一代記

人生、成り行き―談志一代記

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2022/07/31
  • メディア: 単行本



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