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詩の力 [読書日記]

吉本隆明の「詩の力」を再読する。文庫本の奥付によると、10年以上前に読んだらしいが、内容はすっかり忘れていた。ただ、茨木のり子や谷川俊太郎のページにドッグイヤーがあり、この本をきっかけに詩集に手を出したんだったっけと記憶を辿る。


どちらかというと(というか、はっきり言って)散文頭なので、詩心はない。でも、吉本の批評を読んでいると、詩を読んでみようかという気になる。暗喩(隠喩)は、描く対象を直接に他のものに例える表現方法(例えば、君は花だ)、直喩は二つの事物を比較して示す修辞法(例えば、雪のような肌)といった基本のキから学ぶ。


熊本生まれの谷川雁は、西日本新聞記者出身。森崎和江、上野英信らと「サークル村」を創刊し、三池闘争に加わり革命戦士として戦った。背景にイデオロギーを持った迫力ある詩に目を見張った。また時を置いてページを開けば、新たな発見があるかもしれない。そんな一冊である。


詩の力 (新潮文庫)

詩の力 (新潮文庫)

  • 作者: 隆明, 吉本
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/12/20
  • メディア: 文庫

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