日活のロマンポルノ・リブート・プロジェクトで、丸の内日活が1日限り復活した。新シリーズ5作品一挙上映というので観に行ってみた。総尺80分程度、10分に1回の濡れ場、制作費は全作品一律で撮影期間は1週間。完全オリジナルで、ロマンポルノ初監督という条件で、5人の著名監督がチャレンジした。


驚いたのは結構、女性客が多いこと。行定勲監督はラブストーリーの名手といわれているだけあって、エリック・サティの名曲にのせて、いろんなシチュエーションでの愛の場面を美しく官能的に撮っている。そんなところに女性ファンは惹かれるのかも。板尾創路演じる映画監督が自分の撮りたい映画を撮れない鬱屈を女性たちにぶつける様は、創作活動に携わる人たちが必ずぶち当たるカベのようなものだろうと納得できた。


女優は、芦那すみれの透明感、岡村いずみのコケティッシュな魅力がなかなかよかった。AV時代のロマンポルノは、わいせつ性ではなく、文学性で話題になるようなレベルの作品群がとりあえずそろったと感じた。