瀬戸賢一さんの新書。メタファーから訓みとく、というサブタイトルどおり、未知の概念を既知の概念で表現する手法について、かなり専門的に語る。

ミヒャエル・エンデの「モモ」に出てくる時間泥棒。これこそ私たちが縛られている時間に関するメタファーの象徴であり、その呪縛から解放されねばならないと指摘する。

人の行動は結局、メタファーに縛られており、「時は金なり」という言葉が明治以来の日本人の時間認識を規定しているという。

そして、「時は金なり」に代わり、「時間は命」という新たなメタファーを提案している。言葉表現から考える時間論は知的刺激が楽しい。





時間の言語学: メタファーから読みとく (ちくま新書1246)



  • 作者: 瀬戸 賢一

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房

  • 発売日: 2017/03/06

  • メディア: 新書