パロディ、二重の声 [アート]
日本の1970年代前後左右―というサブタイトルがついた、東京ステーションギャラリーでの展覧会を見に行った。昔からパロディが好きだった。懐かしいマッドアマノさんの作品もあった。会場は写真OKで、立て看板にいろんな人のパロディへの考えが書かれて、各所に立てかけてあった。「元ネタがばれると困るのが盗作で、ばれなきゃ困るのがパロディ」。漫画家のとり・みきさんの至言に、なるほどと頷いた。パロディは意識的にばれるようにやるものなのだ。そして権威や偉そうなものを撃つ表現行為だ。何かしら大きな力に押さえ込まれている社会に湧き出てくるゲイジツなのかも。作品として印象に残ったのは、「伊丹十三のアートレポート」。10分ちょいの映像で、かつて深夜番組で放送されたという。ウォホールのモンローの描いたアート作品を質屋に持ち込み、おじさん相手に作品の価値を語る。このやりとりがポップアートの解説になっていて、ちゃんとオチもついている。70年代の自由な創造的テレビにあらためて感心した。
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