バンコクナイツ：楽寛亭日乗：SSブログ

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バンコクナイツ　[シネマ＆演劇] [編集]

日本人向けの歓楽街として知られるタイ・バンコクのタニヤ通りが舞台。カラオケと呼ばれる、昭和のキャバレーのような店は、ずらりと並んだホステスを指名して、横にはべらせ、気に入れば外にも連れ出せるシステムだ。そんな店で働く「タニヤ嬢」と、恋人の日本の元自衛隊員を主人公に、欲望渦巻く楽園の現実を描く。地方から出稼ぎに来る娘たち、怪しい仕事で一儲けを企む日本人、人々の心に残る戦争の傷跡、蔓延するクスリとＨＩＶ禍―。バンコクから東北部のイサーン、隣国ラオスのバンビエンと、ロードムービーでもある。のどかで優しい山野に残る、米軍の爆撃でできた大きなクレーターと、それに重なる爆音は衝撃的だった。でも、この手の映画にありがちな告発調ではなく、どこか明るさが感じられるのは、タイという国の風土ゆえか。たくましく生きるタイの女たちが最後はいとおしくなった。