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「ない仕事」の作り方 [読書日記]

「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親として知られる、みうらじゅんさんの仕事術をまとめた一冊。その目の付け所に常々感心していたが、これはいわゆるノウハウ本ではなく、一つの哲学を明らかにしたものだった。

世間ではマイナスイメージのものを、「ポップ」に見せることを意図してやっている。言葉の終わりに「ブーム」や「プレイ」をつけてしまうのも一つの方法。例えば、童貞ブーム、失恋プレイ、親孝行プレイ。そんな言葉をつくって自らを洗脳し、面倒なことやネガティブなことを楽しみに転化させてしまうという。

ブームになるものは、かなりの確率で言葉が略される。アナ雪、壁ドン、パズドラ。約められるのが流行のルールだという指摘。映画を見終わって、「なんかつまらなかったね」と一言で片付ける人がいるけど、映画は面白いところを自分で見つけることこそ醍醐味なのだと主張する。なるほどね、と何度も頷いた。

本では、自らの仕事のやり方を「一人電通」とネーミングしているが、さすがに昨年来の電通たたきは予見できなかったらしく、そこがまた、みうらさんらしくて良かった。

「ない仕事」の作り方

「ない仕事」の作り方

  • 作者: みうら じゅん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/11/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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