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フェアトレードから考える持続可能な社会 [雑感]

フェアトレードのことを知りたくて、帝国ホテルであったパネル討論を聞きに行った。パネリストは国際フェアトレードラベル機構前理事長モリー・ハリス・オルソンさん、サステナビリティ・コンサルタント籾井まりさん。国連のSDGs=持続可能な開発目標を実現する一つの取り組みとして、フェアトレードを考えた。


籾井さんは、木材の消費について、米テイラー社のギターの話から説き起こした。ギターのネックに使われている黒檀が希少な樹木で、切ってみないと黒い材質がどうかが分からない。使えるのは20本に1本程度。貴重な資源が損なわれている。世界の森林は、この10年で面積にして九州2つ分が消失したという。マレーシアのサラクワ州の樹木は合板材の供給基地で日本の合板の4分の1はサラクワ産。東京五輪のメーン会場となる新国立競技場のコンクリート型枠にも使われている。


こうした中で企業に問われているのは、デューデリジェンス。過酷な労働を強いていないか、性的差別がないか、環境への影響はどうかなど、国際的なルール違反がないかを調べた上で調達をする。それが企業の社会的責任になりつつあるという。ギターのテイラー社は、従来の黒ではなくスモーキーエボニーのネックのギターを出すなど、環境配慮の新商品にシフトしているという(余談だか、このギターがなかなか素敵で、欲しいものリストに入れてしまった。でもちょっと高価だなあ)。


日本でもグリーンウッド法ができたのをまったく知らなかった。われわれ消費者としては、エシカル=倫理的な買い物をするという取り組みが一番簡単な方法だが、やはり壁になるのは価格。フェアトレード商品が広がるためには、企業が目先の利益だけでなく、長い目でみた商品戦略、投資戦略を持てるかどうかにかかっているのだろう。


気になったのは、「サステナビリティ」という言葉。「持続可能な」と訳しているが、もう少し軟らかい言葉で表現できないものか。人類が共存共栄できる未来へ、豊かな日本語を使って。エコの「もったいない」のような感じで。そうすれば、こうした取り組みはもっと広がると思う。

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