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ジュピターズ・ムーン [シネマ&演劇]

ハンガリーのコーネル・ムンドルッツォ監督作品。ガリレオが見つけた木星の衛星エウロパ、ヨーロッパと綴りが同じこの星の愛称を作品の題名にしている。SF仕立てだが、難民問題やテロリズムなど、ヨーロッパが抱える問題が描き出されている。

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国境を突破したシリア難民の少年が「天使」のように空中を浮遊できるようになる。不法移民、テロリストの嫌疑をかけられ逃走する中で、「奇跡」を起こす。目先のことにとらわれ、空を、天を見上げることがなかった人々が天上に舞う少年=天使を見て、涙する。


安楽死やLGBTの話も盛り込まれているが、キリスト教文化圏における「神の存在」、人間と神といった宗教的なテーゼの方に思考は及ぶ。生身の人間が空中浮遊するという、ある意味シンプルな神業を際立たせ、エンタテイメント作品にした監督の手腕に感心した。

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