太陽の塔 [シネマ&演劇]
ドキュメンタリー映画「太陽の塔」を試写会で観た。1970年の大阪万博で岡本太郎がつくったモニュメント。大阪の万博記念公園に保存され、今年約半世紀ぶりに内部が公開された。岡本がどういった思いで、この巨大で異様なな塔を建てたのか。関係者へのインタビューで迫る。
6000万人が見た大阪万博。自分も少年時代、未来都市を夢見てパビリオンに行列した。太陽の塔にも行ったが、その意味を考えることはなかった。「人類の進歩と調和」という万博のテーマに対して、私は進歩に疑問を持っている、人間なんて少しも進歩していない、人間的な生き方をしている人なんて、今日いないじゃないか。岡本はそんな批判的な考えを太陽の塔で表現したという。
縄文の文化を愛した岡本は、土偶や、神への捧げ物などをイメージして、べらぼうな造形物を作り上げた。万博の遺物として唯一残したというか、誰も恐ろしくて解体できなかったらしい。普段何気無く通り過ぎている渋谷駅の壁面には、「明日の神話」という岡本の作品がある。太陽の塔と対をなす作品だという。過去、現在、未来という区切りを超えた芸術表現。半世紀の時を超えて、もう一度太陽の塔の下に立ってみたいと思った。
岡本太郎と太陽の塔 増補新版 (Shogakukan Creative Visual Book)
- 作者: 平野 暁臣
- 出版社/メーカー: 小学館クリエイティブ
- 発売日: 2018/09/12
- メディア: 大型本
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