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SEED〜命の糧 [シネマ&演劇]

環境問題を告発するドキュメンタリーを試写会で見た。野菜の種子が次々と消滅し、多様性が失われているという話。人々の生活に合わせて、病害虫に強いもの、収量が多くとれるものが作物として奨励され、それで淘汰されていると理解していた。だが、実際には違うということがこの映画をみて分かった。

小麦やトウモロコシなどは、いわゆる穀物メジャーによって種子が管理され、農家は種子を買わされて栽培をしているという。それぞれの土地に根付いた固有種は駆逐され、グローバル企業が生産を支配している。干ばつでも生き残るような固有種は、一握りの人たちのボアランティア的取り組みによって、細々と維持されているのみだ。

多様性が失われ、一つの種が独占的に栽培されてしまうと、感染症が大流行した場合など、世界的な食糧難を招く恐れがある。当然ながら生態系にも影響を及ぼし、人間を取り巻く環境にも多大な変化をもたらす。

映画では化学メーカーの実験場がハワイで住民被害をもたらしている話もあった。日本と違い広大な国土を持つ米国で、なぜハワイのような観光地で農薬の実験をする必要があるのか。農薬はなるべく使わず、有機栽培をとは思うが、米国企業の経営理念というものが分からない。

文化人類学者の辻信一さんは、日本でも規制緩和や民営化、自由貿易という名のもとに、グローバル企業によるタネの支配が進んでいると警鐘を鳴らしている。
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