フロントランナー [シネマ&演劇]
30年前の米大統領選で民主党のエースと期待されながら、スキャンダルで撤退に追い込まれたゲーリー・ハートの選挙戦を描いた作品を試写会で見た。フロントランナーは最有力候補という意味。これを境に政策よりも個人のキャラクターや人柄がより優先されるようになってしまった大統領選。カネをかけたイメージ戦略が勝敗を決する人気投票がトランプを生み出したとも言える。
選挙チームの内情とともに選挙を報道するマスコミ、特に新聞社の姿が描かれる。かの有名なワシントン・ポストと地方のマイアミ・ヘラルド紙との対比が面白い。不倫のネタを掴み特ダネを打つマイアミに対し、そんなのは週刊誌ネタで報道に値しないと無視するポスト紙。とはいえ大統領は米国の模範的な家庭を体現しなければならない。ケネディの再来と呼ばれたハートは、問題に見舞われた時のエリートの見本のような対応のまずさで墓穴を堀り万事休すとなる。
ある意味、リスク管理の大切さを教える作品でもある。我が国の議員センセ方もぜひ見た方がよいと思う。主演はグレイテスト・ショーマンのヒュー・ジャックマン。選挙参謀役のJ.K.シモンズがなかなか渋かった。ジェイソン・ライトマン監督。
ウォーターゲートの遺産―政治的人間ニクソンの誕生と死 (1975年)
- 作者: ワシントン・ポスト編集部
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1975
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