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帰ってきたヒトラー [シネマ&演劇]

ドイツのティムール・ヴェルメシュのベストセラー小説を映画化。絶対悪であるナチス・ヒトラーがタイムスリップして現代に蘇る。ひょんなことからモノマネ芸人として大ブレイク、騒動を巻き起こす風刺コメディをAmazonで見た。

オリヴァー・マスッチ扮するヒトラーがまさにそっくり。変わらぬ情熱的な弁舌で愛国心を煽る演説をする。広がる経済的格差、流入する移民、社会の閉塞感、鬱積する不満。ナチスが台頭した時代を彷彿とさせる現代の時代状況がモノマネ芸人ヒトラーの演説をテレビで聞く視聴者に共感をもたらす。

国民的な人気者となった芸人ヒトラー。しかし、おぞましいホロコーストの記憶の中に生きる認知症の老女は突然正気を取り戻し、嫌悪感剥き出しの言葉を彼に投げつける。その激しい言葉は、映画を笑ってみていた我々に、仮面を被って忍び寄る全体主義の危うさを思い出させる。毒がてんこ盛りのあぶない映画だ。デヴィット・ヴェント監督。


帰ってきたヒトラー 上下合本版 (河出文庫)

帰ってきたヒトラー 上下合本版 (河出文庫)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/05/20
  • メディア: Kindle版



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