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したたか 総理大臣・菅義偉の野望と人生 [読書日記]

松田賢弥の人物ノンフィクション。官房長官の時に「影の実力者」として発刊されたのを総理になったんで新たに文庫版にまとめ直して出た一冊。インタビュー中心の構成で、まあこの政治家がどんな経歴で権力の階段を登ってきたのかが分かる。

小此木の秘書から始まり、横浜市議から衆院議員になる。総裁選で梶山静六を支援し、加藤の乱に加わり、野中広務のような存在を目指す。安倍晋三を担ぎ出すまでの政治行動を辿る。

ただ半生記ではあるが、深い洞察があるわけではないので、はっきり言ってあまり面白くなかった。官房長官を手堅くこなしていた感はあったけど、まさか総理になるとは誰も思ってなかったような、一般国民にとっては地味な政治家。どんな人なのかの基礎知識にはなる本ではあった。


したたか 総理大臣・菅義偉の野望と人生 (講談社文庫)

したたか 総理大臣・菅義偉の野望と人生 (講談社文庫)

  • 作者: 松田賢弥
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/09/28
  • メディア: Kindle版



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ドキュメント感染症利権 [読書日記]

昔は伝染病と呼んでいた感染症。つい60年ほど前までは結核や天然痘、ポリオなどさまざまな感染症に苦しみ亡くなる人が多くいて、社会の大問題として国も多くの予算を配分していた。特に結核は国民病のように猛威をふるい、その対策を進めるため厚生省ができ保健所ができ、予防、検査、治療の体制を整えていったことを知った。

後藤新平と北里柴三郎の官と民の話から始まり、満洲の七三一部隊による細菌兵器の話、ハンセン病差別と官僚主義、薬害エイズ事件と、感染症がインパクトとなり、社会を変えてきた歴史を改めて学ぶ。その時の政治と医学・研究者、製薬会社が絡み合い、利権やメンツで患者の扱いや治療法が左右されてきた実態もあるのだという。

今世界を覆うコロナ禍。考えてみれば、こんな感染症の恐怖を何度も乗り越えながら人々は生きてきたのだ。コロナ以前の安穏とした日々の方が特別だったのかもしれない。トランプ大統領の感染が国際政治の中で注目を集めている。実は大統領選を睨んだフェイク感染で、「感染症に打ち勝った大統領」を演出するシナリオなのかもしれない。本書を読むと、そんな裏読みもしたくなる。山岡淳一郎著。


ドキュメント 感染症利権 ──医療を蝕む闇の構造 (ちくま新書)

ドキュメント 感染症利権 ──医療を蝕む闇の構造 (ちくま新書)

  • 作者: 山岡淳一郎
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2020/08/21
  • メディア: Kindle版



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