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瀬戸内国際芸術祭に行ってきました [アート]

瀬戸内国際芸術祭に行ってきた。トリエンナーレで2010年いらい4回目。瀬戸内の島々を舞台に春、夏、秋期で、世界のアーチストが屋外や古民家を利用した作品を展示する。

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今年からはオフィシャルツアーが始まり、日程が限られていたし、土地勘がないことや移動手段のことも考えて、これこれと思って申し込んだ。

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豊島、犬島コースは35人の申し込みがあり、高松港からチャーター船で40分ほどで豊島へ。ツアーガイドさんの説明で、かつて豊島を揺るがした産廃騒動を思い出した。穏やかな瀬戸内の海、有人だけでも300の島があるというが、わざわざこんな所に産廃を運んできて処理するなんて。業者は儲かりさえすれば環境もへったくれもなかった時代だったのだろう。この騒ぎをきっかけにいくつかの産廃処理基準など法規制が進んだが、地域の疲弊は残った。芸術祭はそんな地域に元気を取り戻す目的で、ベネッセの福武さんの肝いり、北川フラムさんのプロデュースで始まったという。

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ツアーは青、黄色チームでマイクロバスに分乗。最初に訪れたのは、家浦港近くの豊島横尾館。稀代のアーティスト横尾忠則と建築家・永山祐子によるインスタレーションハウス。古民家を改造し母屋と蔵と納屋に、「生と死」をテーマにした絵画などが展開されている。海風に耐える焦がした板塀に真っ赤なステンドグラス。男性器や羊水をイメージした形状の塔や庭、ケバケバしい色彩が目に突き刺さるようなインパクトを与える。路地の先にいきなり出現したアートハウス、時が止まったような島の集落に馴染んでいるから不思議だ。

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豊島で一番人気の島キッチンの弁当がお昼ご飯。瀬戸内鮮魚のフリットにベトナムソース、島野菜の天ぷらにまぜご飯など。ワッパに入っていて見た目から美味しそう。味がしっかりしていて、あっという間に完食でした。

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豊島美術館は雫の形がモチーフで棚田の斜面に白い佇まいを見せていた。ツアーでは外から見るだけだったが、コンコンと湧き出る水が唯一の展示物という哲学的な空間に一度行ってみたい。

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いくつかの野外展示を見た後、船で犬島へ。この島はかつて島全体が採石場で、その後銅精錬の工場ができたが、銅価格の暴落で操業をやめてしまい廃墟に。近年は近代産業化遺産として一部が美術館となり、廃墟マニアの聖地となっている。

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家プロジェクトと題して、古民家を展示場として活用した作品をいくつか見学。脳内の景色、南国の花など、スケールの大きな作品が面白かった。

犬島精錬所美術館は、自然の光や風を生かした三分一博志の建築が画期的だった。坑道をイメージしたつくりと鏡のマジックで強いインパクトを受けた。日本の近代化に警鐘を鳴らした作家、三島由紀夫のアートワークも展示されていたが、ここで三島が出てくるとは思わなかった。


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ダンスウィズミー [シネマ&演劇]

暑さしのぎに日比谷TOHOで鑑賞した。矢口史靖監督のオリジナル脚本。催眠術にかかり、音楽が鳴るとミュージカルしてしまうという設定が大変シンプルなコメディー。日常がいきなりミュージカル、罪がなく楽しい気分にしてくれる。

誰にでも少しはある子どもの頃のトラウマ。本当は好きだったのに、その出来事がきっかけでできなくなった。嫌いなものを好きにする催眠療法を試してみたいと思ったこともあったっけ。日本人が心の奥底に持つ欧米風歌劇への違和感みたいなものをすくい取った作品かもしれない。

主演の三吉彩花は伸びやかな演技で好感を持てた。シンガーソングライターでモデルでもあるChay(ちゃい)は、そのままシンガーソングライター役だったが、ストーカー女役の振り切れた演技が背筋がゾワっとするくらい真に迫っていた。
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ワイルド・スピード スーパーコンボ [シネマ&演劇]

「ワイルド・スピード」シリーズの最新作をみた。猛暑の夏、アタマを使わずに気楽にスクリーンを眺める。アクション映画は爽やかでいい。

それにしても、どんだけ不死身なのかというシーンの連続。ドウェイン・ジョンソンの分厚い胸板と丸太のような腕、ジェイソン・ステイカムとのタッグによる激走カーアクションがスゴイ。今回は敵役がサイボーグ(ロボット?)で、AI対人類という最近ありがちな設定。何をしても死なない相手、かつてのシュワちゃんのSF映画のようで、何かなあという感じが残った。やはり相手は生身の人間じゃないと。

冷戦時代はハリウッドの映画といえば、悪役はソ連、KGBだったが、現代は定番の悪役設定は難しいのかもね。
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人形の家 PART2 [シネマ&演劇]

「人形の家 PART2」を新宿・紀伊國屋サザンシアターでみた。イプセンがデンマークで発表した社会劇で、19世紀ヨーロッパに衝撃を与えた問題作の続編として書かれた。フェミニズムの勃興とともに語られる主人公ノラの自立。15年ぶりに捨てた家族の元へ帰ってきたノラと家族らとの再会を、劇作家ルーカス・ナスが描く。

女流作家になったノラと銀行家の夫トルヴァル、女中で母親代わりのアンネ・マリー、娘のエミー。それぞれとの会話の中で、自分勝手さや憎しみ、世間体といった、自由な個人を縛るモノが浮き彫りになる。古典的作品を現代社会に翻訳しても、ちゃんと訴えるものが分かるのは、裏を返せば、女性が差別される男性優位社会が続いていることの証左でもある。

ノラ役の永作博美、矛盾を抱え葛藤する女性にはぴったりだったかも。夫役の山崎一の声がいい。栗山民也演出。

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