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ジョルジュ・ブラック展 [アート]

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汐留のパナソニック・ミュージアムでブラック展をみた。絵画だけでなく、彫刻、陶芸、ジュエリーのデザインまで、自らの世界観を展開。パリの華やかできらびやかなムード、おしゃれなデザインの展示が面白かった。


展示も凝っていて、のれんのようなものでコーナーを仕切り、光のパフォーマンスで床に模様を遊ばせる趣向も。ギリシャ神話に題材をとった作品が多かった。トランプのクラブのような形をした「ペリアスとネレウス」のリトグラフの絵はがきを記念に買った。


新橋駅から近いところにある美術館だが、初めて訪れた。企業のミュージアムは結構あるが、この手のしゃれた施設は東京ならではかも。かつての業績不振を乗り越えたパナソニックの好調さを象徴するようなミュージアムだった。

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池袋モンパルナスとニシムイ美術村 [アート]

都営三田線の終点・西高島平まで乗って、板橋区立美術館まで行った。かつて絵描きが多く住み、日本のモンパルナスと呼ばれた池袋、落合。そこで青春をすごした絵描きが沖縄に戻り芸術村をつくった。彼らの作品と交流の足跡を展示する。

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佐伯祐三や藤田嗣治、野見山暁治らそうそうたる画家たちの作品が並ぶ。作品には、かつての池袋や新宿の街並みが描かれていて、当時の雰囲気を知ることができた。かつて池袋は湿地でそこを開拓して安い住まいをつくったらしい。展示では、丸木位里、俊の沖縄戦の図の一枚もあって、こんなところで出会えるとは、ちょっと感動した。ちなみに板橋美術館のキャッチフレーズは、「永遠の穴場」。なるほど、とうなずける内容だった。

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記念に池袋モンパルナスの今昔を描いたイラストマップ(50円)を購入。1941年と現代の一帯を比較しながら街歩きができる。また今度、ぶらっとしてみるか。近くの高島平は、高度成長期にマンモス団地ができた。住民とともに年を重ねた街はどうなっているのか。ここもあらためて訪ねてみよう。さんぽ日和、奈良、鎌倉に次ぐという「東京大仏」を拝み、散策を楽しんだ。

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みうらじゅんフェス [アート]

川崎市市民ミュージアムで開催中の「MJ's FES SINCE1958」を見にいった。「マイブーム」の全貌がまさに一堂に。世間の違和感を敏感に察知し、過剰に集め、だれに頼まれたのでもなく、徹底してやってしまう。本人は否定するが、アーティスト魂のようなものを感じた。

子どものころから収集癖、展示されたものは小学生のころからのコレクションであり、まんがなどの作品であり、スクラップである。怪獣のコレクション、栗田ひろみのブロマイド、京都の仏像写真など、マイブームの変遷が分かる。通常の人は、たぶん恥ずかしくって、公に展示できないだろうな、というものまで公開するところが、やはりアートなのかも。山田五郎と展示について語る館内ビデオは、面白すぎ。

ミュージアムは、武蔵小杉駅からバスで10分程度。帰りは駅まで歩いたが、公園近くの住宅街と駅前の高層マンションの対比に驚き。最近人気の街らしいが、自分的にはどうかな、と感じた。

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マイ遺品セレクション

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  • 作者: みうら じゅん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/02/07
  • メディア: 単行本



人生エロエロ (文春文庫)

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  • 作者: みうら じゅん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/06/10
  • メディア: 文庫



マイ仏教 (新潮新書)

マイ仏教 (新潮新書)

  • 作者: みうらじゅん
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/05/14
  • メディア: 新書



正しい保健体育 ポケット版 (文春文庫)

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  • 作者: みうら じゅん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/08/04
  • メディア: 文庫



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熊谷守一 生きるよろこび [アート]

没後40年、久しぶりの東京での回顧展を竹橋の東京国立近代美術館に見に行った。青木繁と同世代の人で、明治から昭和にわたり97年の生涯に描いた作品200点余が展示されている。


明るい色彩、はっきりしたかたちが特徴らしいが、若いころは暗い色調が目立つ。子どもを失うなど苦難を経験しながらも画業に打ち込み、晩年になって独自の画境に到達したという。


作品は、明るい色調とともにより抽象化、シンプルなかたちになっていく。題材は近所の野良猫や、魚、草花など。悲しみを飲み込んだ、カラッと乾いた明るさ、心がポッと温かくなる。そんな印象を抱いた。

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熊谷守一の猫

熊谷守一の猫

  • 作者: 熊谷 守一
  • 出版社/メーカー: 求龍堂
  • 発売日: 2004/09/01
  • メディア: 単行本



もっと知りたい熊谷守一 ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたい熊谷守一 ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

  • 作者: 池田 良平
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2017/12/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



いのちへのまなざし 熊谷守一評伝 (美の人物伝)

いのちへのまなざし 熊谷守一評伝 (美の人物伝)

  • 作者: 福井淳子
  • 出版社/メーカー: 求龍堂
  • 発売日: 2018/02/22
  • メディア: 単行本



熊谷守一 画家と小さな生きものたち

熊谷守一 画家と小さな生きものたち

  • 作者: 林 綾野
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/03/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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見ることのリアル:レアンドロ・エルリッヒ展 [アート]

六本木ヒルズの森美術館で、「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」をみた。見る人が参加して体験するインスタレーションなどの作品。固定観念を覆す、トリックアートの中でしばし遊んだ。

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「クラウド」アートでは日本列島やフランスなど、世界地図でなじみのある国のかたちを表現していた。この手法のアートは内幸町のイイノビルにもあった。空に浮かぶ雲や夜の星空に、意味のある「かたち」を創造する人間。そうした想像力を生かした作品だ。

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試着室に入ると、鏡の向こうに無限に部屋が続く。どれが鏡で、どこが筒抜けなのか。錯覚に陥り、出口のない迷路のような怖さを味わえる。

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建物の壁をよじ登ったり、座ったりしている自らをカメラでパチリという大型作品は大人気で、これは一番のインスタ映えスポットかも。金沢21世紀美術館に常設されている「プール」という作品の模型もあった。今展の現代アーティストの名前はこれまで知らなかったが、意外なところで作品には出会っていて、都会にはアートが点在しているのだな、と実感した。

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「ケの美」展 [アート]

銀座のポーラミュージアム アネックスに「ケの美」展を見に行った。ハレ(晴れ)に対するケ。ふだん、日常という意味だが、ハレに比べると、最近はあまり使わない言葉。ふだんの暮らしの中に「美」を見いだす試みで、展覧会ディレクターの佐藤卓さんの呼びかけに、14人の著名人が展示参加している。


実物とパネルの展示で、それぞれの思いをつづった一文が掲げてある。話を聞いたり、本を読んだりして知っている人もいたが、知らない人の方が多かった。でも、台所回りの物や掃除・洗濯道具、文房具など、身の回りのもので、「これいいよね」と気に入ったものを見ると、だいたいどんな考えの人なのか、分かるものだ。


マルチクリエイターの小山薫堂さんは、魯山人の「坐辺師友」を座右の銘としてあげ、ものたちへの愛情を告白していた。展示していたのは、風呂の手桶で、わざわざ注文した代物。ちょっと一般人にはマネできないが、確かに格好はよかった。うらやましいなあ。料理研究家の土井善晴さんは、具だくさん味噌汁の写真が目を引いた。トースト入りの変わり味噌汁など、どれもうまそうで、感覚的には一番自分にぴたっと来た。隈研吾さん、小川糸さんの展示も印象的だった。入場無料。

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日本民藝館 [アート]

駒場の日本民藝館を訪ねた。日本近代文学館に行ったのをSNSにあげたら、近くにある日本民藝館もいいよ、と友人が教えてくれた。


パンフレットによると、「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す「民藝運動」の拠点として、思想家の柳宗悦(やなぎ・むねよし)が企画。建物も柳が設計したという。

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日本人が愛した英国の椅子、ウィンザーチェアの展覧会をやっていたが、ゴッホが使った椅子がしれっと展示されていたりした。館の方針で、説明書きは極力少なくしているそうで、それは「知識で物を見るのではなく、直感の力で見ることが何より肝要である」という柳の見識によるという。確かにその通りだと思う。

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館内には生活の臭いともいうべきものが感じられた。どちらかというと無機質なビル街の美術館とは違い、日用品にしみついた手垢やカビの臭いかもしれない。それが芸術品とは異なる、日用の美なのだろう。

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祈りのかたち [アート]

仏教美術入門というサブタイトルがついた展覧会。丸の内の出光美術館に久しぶりに行った。会期がきょうまでということもあり、この美術館にしては多い人出。同館所蔵の仏画、仏像、曼荼羅などを鑑賞した。


阿弥陀如来の教えを守り極楽浄土へ行けるか、それとも地獄か。人々は極楽行きを願い、お経を唱えた。地獄にもいろいろランクがあって、阿鼻叫喚というのは地獄の呼び名であることを知った。阿鼻地獄が最も厳しい地獄らしいが、殺人や窃盗とともに不倫というのも地獄行きの罪に挙げられていた。いくら科学が進歩しようと、人間界でやってること、悩んでいることはあまり変わらないのだなあ、と思った。


この美術館には休憩コーナーがあり、お茶のサービスもある。皇居のお堀を眺めながら、ゆっくりできる。ちょっと涼しくなった日曜の昼、心の洗濯をした。

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TOKYO ART CITY [アート]

東京ドームシティのギャラリーAaMoで開かれている「TOKYO ART CITY」に行った。都市とはアートである、というコンセプトで東京の今を光によって表現。熱中症になりそうな猛暑を逃れ、涼しいデジタルアートの世界に浸った。

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新宿の歌舞伎町。ゴジラがいて、けばけばしいネオンがまたたく。エネルギーあふれる街。雑多なものが混ざり合ったTOKYOの象徴ともいえる。建造物やサイネージ、集まる人さえ、都市を彩るアート。そんなメッセージと受け取った。


以前東京駅の丸の内側駅舎で行ったが、大変な人出で中止になってしまったプロジェクションマッピングをミニチュアの駅舎で上映していた。東京国立博物館でのマッピングもやっていたが、やはり屋外でやってこそ、スケール感があり感動があるのではないか。室内展示の限界を感じた。


ロボットのようなコスチュームの「サムライズ」が、SF世界のガイド役のように会場でパフォーマンス、記念撮影にも応じてくれる。東京タワーから眺める、星降る都心のビル群。暑さを忘れさせてくれるアートイベントといえるかも。


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近くの文京シビックセンターでは、本郷旅館街展をやっていた。かつて本郷地区には、100軒以上の旅館が軒を連ねた。昨年、朝陽館がなくなり、残るのは東大近くのわずかな何軒かのみ。朝陽館の模型や、使っていた備品などが展示されていた。いま一帯はマンションが建ち並び、かつての面影はない。「東京」から「TOKYO CITY」へ。時代の移ろいを考えた一日だった。

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國學院大学博物館 [アート]

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渋谷で仕事があり、近くの國學院大學博物館を覗いてみた。キャンパス内の神社を参拝後、向かいの学術メディアセンター地下1階にある博物館(入場無料)へ。

樋口清之さんがいた大学というぐらいしか認識はなかったが、大学の名前である国学の歴史(久しぶりに本居宣長、平田篤胤といった人たちの名前を見た)や考古学の資料が結構な規模で展示されていて感心した。

特別展として高円宮家所蔵の根付コレクションもやっていた。根付は印籠や巾着、煙草入れ、矢立などの提げ物を帯から吊す時に使う、滑り止めの道具。江戸独特の美的感覚が育て上げた「掌におさまる美術品」といわれる。そこだけは撮影OKで、人や動物など多様な意匠の根付が並んでいた。

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福岡の西南学院大博物館と提携していて、展示フロアには西南コーナーがあった。神道とキリスト教の大学が提携しているのは、ちょっと興味深い。神に祈る真摯な気持ちは洋の東西を問わないということかしら。


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