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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 [シネマ&演劇]

人間ドックが早めに済んだので、日比谷TOHOで映画を見ることにした。平日の正午すぎ、コロナ自粛もあって、一番大きなスクリーンに30人ほどの観客。気分的にもこれなら感染の心配もないと安心する。

で、見たのは「ハーレ・クイン」(フランス語で道化師・アルルカンの英語読み)。あのジョーカーの元カノが独り立ちし、暴れまくるというストーリー。派手派手な出で立ちのマーゴット・ロビー。モラルなしのやりたい放題。金属バット片手に悪党どもをボコりまくる。アメコミ、DCコミックが原作で、そのアメリカンな薄っぺらさがハイな気分に拍車をかける。不幸な生まれつきだが、努力して?精神科医になり、それからアウトローの世界へドロップダウンしたというキャラ設定。いやあ、ハリウッド映画らしいなあ。

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いろいろと評判の硬派映画も公開されているが、コロナ疲れにははちゃめちゃなアクション&コメディーがお気楽でイイね! 肩の力が少し抜けました。キャシー・ヤン監督。
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ベルリン 天使の詩 [シネマ&演劇]

新型コロナの感染拡大で、舞台や映画館に行くのもちょっと不安になってきた。仕事以外は引きこもり生活が一番安全かも。当面は、以前から見ようと思っていた映画のDVDを借りて楽しむことにした。一発目は、1987年公開の「ベルリン 天使の詩」。ヴィム・ヴェンダース監督で、カンヌ受賞作品だ。

大した予備知識なく見始めたが、モノクロで字幕も詩的でついウトウトしてしまう。永遠の命を捨て、人間になった守護天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)が地上に降り立ったところから世界はカラーになる。サーカスの舞姫マリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)との運命的な巡り会い、元天使のコロンボこと、ピーター・フォークが懐かしかった。

ベルリンの街には天使の意匠が多く、そこから構想が芽生えたらしい。作品のイメージを広げた、パウル・クレーの天使の絵、詩人ペーター・ハントケの作品もいつか鑑賞してみたい。西ドイツとフランス合作。ベルリンの壁があった冷戦時代に思いを馳せた。


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東京ノート [シネマ&演劇]

青年団第81回公演「東京ノート」を吉祥寺シアターで見た。平田オリザ作・演出。1994年の初演以来、13ヶ国語に翻訳され、世界16カ国以上で上演されてきたという。美術館のロビーに来る様々な人たち、夫婦、きょうだい、恋人、同僚などの会話が交錯する。それが芝居になっている。

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今から15年後の世界、欧州で第3次世界大戦が起き、著名な芸術家の作品が日本の美術館に疎開してきている。この美術館にはフェルメールの作品。グローバル化した世界であっても、遠い欧州の戦地。反戦パレードや現地に派遣される一部の人を除けば、プライベートな日々は変わらない。親子や夫婦の間の軋轢や、男女の行き違い。流れてゆく日常にこそ、人々は心を砕き、小さな幸せを探して彷徨う。

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平田さんによると、「見ること」も一つのテーマ。展示された絵を誰と見るか。世界最後の日、誰と一緒に見たいか、あなたにとって大事な人は誰か、そう問うている。美術館でゆっくり鑑賞できる、それは平和の証。大きな意味では、平和の大切さを訴えてもいるのだ。
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キャッツ [シネマ&演劇]

ミュージカル「キャッツ」の映画版を日比谷で見た。海外の映画評では散々でアカデミーにもノミネートされなかったが、舞台で見る機会がなかったので迷わず見に行った。かの有名な「メモリー」などのナンバーが途切れなく続く。ネコ人間がロンドンのゴミだめを舞台に歌い踊るファンタジー、感激するほどは面白くなかった。

だってストーリーがつまらない。生の舞台で見れば、歌唱とダンスの迫力が圧巻なのかもしれないが。なかなか舞台に行けない人向けに製作したのかな。白猫の子猫ヴィクトリア役のフランチェスカ・ヘイワードは英国ロイヤルバレエのプリンシパルだけあって、身のこなしが軽くて、可愛く素敵だったけど。あとテーラー・スイフトも出ていたらしい。

ジュリクルキャッツとは、人に媚びず気高く個性豊かなネコたちのこと。エリオットの造語らしい。最後の歌で出てくるけど、猫は犬とは違う。馴れ馴れしくされるのを嫌う。うちの猫もそう。やっぱり犬派かな。
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グッドバイ [シネマ&演劇]

あの太宰治の未完の小説をケラリーノ・サンドロヴィッチが脚本に仕立て、生瀬勝久が演出した。「グッドバイ」を日比谷のシアタークリエでみた。女たちの口争いが可笑しい恋愛狂騒劇。上質なコメディに大いに笑った。

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街はまだ貧しく、疎開、引き揚げの人たち、進駐軍がいた、昭和23年が舞台。そんな時代に多くの愛人を持った不埒な男と大食いの美女が出会う物語だ。セクハラ、不倫とやたらと叩かれる今どきの世間と比べると、まだ大らかであったのだなあとつい思ってしまう。でもよく考えてみると、藤木直人演じる雑誌編集長のように金持ちな人々は一握り。多くの国民は食うので精一杯の時代だった。だからこそ男たちにとっては夢物語のような金持ち階級のすったもんだのお話ができたのかも。

ヒロイン役のソニンは、キャラが立っていてキュートだった。子ども役のMIO、YAEが世の中を見透かしたような不気味な存在で面白かった。名前が変で覚えていた長井短も変な感じが印象に残った。生瀬の演出、良かったのでは。
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飛龍伝2020 [シネマ&演劇]

つかこうへいの代表作の一つ「飛龍伝2020」を新国立劇場で見た。欅坂46キャプテンの菅井友香が「8代目神林美智子」を演じる。ほぼ舞台に出ずっぱりで1幕2時間10分。一生懸命さは伝わるが、まだまだ演技が硬い。はっきり言って、ラストの歌とダンスが自然な笑顔で一番良かった。

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岡村俊一演出。1960年安保の時代、全共闘と機動隊の衝突という設定はもはや遥かな戦後。世界革命戦争に勝利する、などというセリフも空虚に響く。なまじ歴史的事実を知っているだけに、素直に物語に入り込めない。むしろ完全な作り事の設定の方が共感できたかもしれない。

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学生の熱いパワーは現代もあるだろう。ただ、作品では、仕送りで生活し学生運動に没入する学生たちと、中卒ばかりの機動隊との格差や妬みが根本にある感情的対立が描かれるのに、それが10年後に再会して、「あの頃」を懐かしがる。双方に神林というヒロインの思い出があるのかもしれないが、ヒロインの描き方自体も弱く、全体的な展開に違和感を感じてしまった。セリフをただただ熱く語るだけが、つか演劇ではないと思うのだが。
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少女仮面 [シネマ&演劇]

唐十郎原作の「少女仮面」を三軒茶屋のシアタートラムで見た。1969年、鈴木忠志主宰の早稲田小劇場に唐が書き下ろした。岸田國士戯曲賞を受けた古典的名作を杉原邦生が演出。宝塚の伝説のスター、春日野八千代を演じたのは若村麻由美。かっこいい男役、その色気ある佇まいに久しぶりに鳥肌が立った。

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状況劇場を率いてセンセーショナルを巻き起こしていた唐。演劇的に言うと「肉体論」の物語で、岸田賞を受賞した当時は、既成の演劇人からは批判が上がったという。オリジナルの舞台は見ていないが、演出家によって、いろんな解釈、表現ができるのだろう。他の唐作品より分かりやすいが、その熱くほとばしる情念は変わらない。

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メリー・ホプキンの「悲しき天使」が流れる中、過ぎ去った過去、失った肉体、流れ行く時間が舞台で交錯する。地下の喫茶店、満州の前線病院、腹話術師、甘粕大尉、そして宝塚のレビュー。昭和テイストの物語に浸りながら、燃えていた時代を思い、心が熱くなった。
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パラサイト 半地下の家族 [シネマ&演劇]

ことし第1作目は、カンヌで最高賞を取った話題の「パラサイト」。トーホー日比谷で見た。我が国以上の格差社会、韓国の厳しい現実を背景に、家族そろって金持ち一家を食い物にするお話。かと思って笑って見ていたら、予想外の展開に。北の脅威も皮肉たっぷりに織り交ぜていて、評判どおりポン・ジュノ監督の快作だ。

すぐに「万引き家族」を連想した。長女役のパク・ソダムの安藤サクラに似ていること。父親役のソン・ガンホは知っていたが、あとは日本の俳優につい置き換えて見てしまった。金持ち社長の妻は、黒木瞳かな。キレイな女性の配役が多かった。

家の地下に核シェルターを作るなんて、やはり韓国らしい。でも、地下に暮らす人は韓国にそんなにいるのだろうか。米国や中南米あたりの話は聞いたことがあったが。
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キレイ 神様と待ち合わせした女 [シネマ&演劇]

松尾スズキ作・演出の「キレイ 神様と待ち合わせした女」を渋谷のシアターコクーンで見た。2000年初演で4度目再演のミュージカル。生田絵梨花がヒロインのケガレ、少年ハリコナに神木隆之介。3つの民族が争う架空の国ニッポンを舞台にしたファンタジーだ。

ケガレなき少女の心は永遠にキレイであってほしい。そんな男の願望が物語の根っこにあるのかな。世間は争いが絶えず、人は損得勘定で動き、騙し騙されの日々。神様に見守られながら少女は汚れていく。人の形をした食糧(ダイズ)なんてグロテスクな発想はなかなか出てこないけど、ゲノムの時代には荒唐無稽な話ではなくなりつつあるような。恐ろしい時代の空気を感じ取りもした。

例によってギャグが散りばめられているけれど、伊藤ヨタロウの音楽、生バンドによる歌と踊りは皆達者。大人計画のメンバーはもちろん、鈴木杏、麻生久美子の歌もサマになっていた。主演のケガレは、初代が奥菜恵、次が鈴木蘭々、そして多部未華子。4代目の生田は「品を出しちゃダメ」と、演出の松尾に注文を出されたという。来年からコクーンの芸術監督になる松尾。遊びゴコロ全開の舞台に期待しよう。

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あれよとサニーは死んだのさ [シネマ&演劇]

高田聖子が立ち上げたユニット月影番外地その6「あれよとサニーは死んだのさ」を下北沢ザ・スズナリで見た。ノゾエ征爾作、木野花演出。老人介護とゲームオタクから発想を飛躍させた、不条理劇的な展開が面白かった。

NHKのコント番組で見ていらい気になっていた池谷のぶえ。パワフルで破壊力がある演技にたまげた。お母さん役のイメージがあったが、変幻自在な声色で可愛いオンナも演じる。それでいて品がある。座長の高田と相通じるところがあるような。川上友里、入江雅人の激しい掛け合いも笑った。

演劇の街下北のスズナリ横丁にある小さな劇場。折りたたみ椅子で詰めあってみる舞台。小さいハコならではの一体感があって好きだ。

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